防御性収縮
『防御性収縮』
身体のどこかが損傷して受けた痛みによって、
周辺の筋肉が過度に収縮し、
関節の動きを制限してしまうというものです。
大きな怪我や手術・リハビリを経験したお客様はもちろん、ぎっくり腰や慢性腰痛を抱えているお客様にも多い反応です。
防御性収縮状態が長く続くと日常何気ない動作でも筋緊張が起き続け、損傷部の炎症や痛み自体は消失しているのに、動作に制限を受けて滑らかな運動ができなくなります。
体を柔らかくしたいという方の中にも、この防御性収縮が原因でうまくストレッチ効果が得られない方が多くいます。
昔のケガのことを忘れていて、無意識の防御性収縮に気づいていない方もいます。
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防御性収縮は、身体(運動に関与するもの)の損傷や術後の痛みそのものが原因ではありません。
痛みを感じながら特定の部位を動かした経験が脳に記憶されることで、その時と同じ動作をしようとすると反射的に防御反応が起こります。
痛みを起こさないために脳が反応し、『動かすと痛いよ…』と指令を出して動かさないようにしてしまいます。
この痛みの予測はなかなか拭えません。
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腰痛持ちさんは、腰痛になった原因となる動作がわかっていると、その動作をしたがりません。
本来、丁寧に骨と筋肉を動かしてあげると痛みは出づらいのですが、痛みの予測が怖さにつながり、不安感からの筋緊張がとれません。
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ならどうするか。
防御性収縮が起こりうる動作は一旦避けますが、別の方法でその部位周辺がほぐれるように促します。
曲がるのが怖いなら、
伸ばした状態でほぐれる方法を。
伸ばすのが怖いなら、
曲げた状態で緩める方法を。
防御性収縮は、自分一人で運動を実施すると『動かさない』という選択で終わってしまいがちです。
適切な方法の提供と、動作中に防御性収縮が起こりにくい傾聴ができる運動指導者がいると安心です。
脳が予測する痛みを『気持ちいい』や『嬉しい』に塗り替える運動ができた時、本当の意味でリハビリが完了すると思っています。
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ストレッチを行う際も、体が痛みを感じると脳がそれ以上伸ばさないでくれ…と伸びるのを止めるどころか縮めるように指令を出してしまうので、痛いのは我慢しない!痛みを感じる手前で「気持ちいい♡」を感じることが大切です。