前頭葉(前頭前野)

脳は
「大脳」
「小脳」
「脳幹」
の3つに大きく分かれています。
全体の重さの約80%を占めているのが大脳です。

大脳は、4つの部分で成り立っています。
①前頭葉
②側頭葉=言語機能・形態の認知
③頭頂葉=空間認識・数字操作(計算)
④後頭葉=視覚情報の処理

前頭葉は人間の知的機能の中枢です。

前頭葉の大部分を占めるのが「前頭前野」です。

人間と動物の脳を比べたときに大きく違うのが、
前頭前野です。
人間の前頭前野は大脳の中の約30%を占めていますが、動物の中で最も大きいチンパンジーなどでも前頭前野は7~10%くらいしかありません。

感情・自発性・意欲・理性・創造性など、
人が人間らしく行動し、
行動を抑制する機能を司るのが前頭前野です。

生活をする上で必要な情報を整理したり、
計画して処理・判断することも役割です。

自己を客観的に捉えることや感情を持つこと、
言葉を発することができるのも、
前頭前野が機能しているからです。

その機能は、
1.意欲や感情のコントロール能力
2.思考の切り換え能力
3.創造力の源泉
の三つに大別されます。

大脳は母親の胎内で一番先に
側頭葉と頭頂葉が発達をはじめます。
そして、最後に前頭葉がふくらんできます。

前頭葉は脳の中でも最も遅く成熟し、
最も早く老化すると言われています。

前頭葉(前頭前野)が老化すると、
自発性や意欲が低下します。

創造力が衰えるため、
多面的に物事を見れなくなります。

判断力が低下すると、
仕事や私生活にも支障が出てきます。

抑制コントロールが難しくなるため
思想や行動が急進的になります。

知的活動に支障をきたせば
認知機能の衰えにつながり、
感情のコントロールが困難になると
人格が変わったようになることもあります。

加齢により脳の前頭葉が縮んでくることで起こるものなので、至極自然な摂理でもあります。

高齢になることを医学的にみると、
体力や筋力よりも
感情のほうが先に衰えると言われています。

それは早ければ、40代から始まるようです。

脳の老化が進行すると、
いつも不機嫌そうに見えるようになります。

感情の衰えから、表情が乏しくなるためです。

感情の抑制やコントロールがうまくできなくなると、場面に応じた表情がとれなくなり、それが周囲にどのように映っているかを推し量ることも難しくなる・・・「堅物」「頑固親父」をイメージするとわかりやすいですが、性格とは別に年々表情が乏しくなりとっつきにくくなっていくのも、前頭葉の老化が関係していることがあります。

☑️序列にこだわるようになった
☑️考えるのが面倒になった
☑️頭がぼんやりして考えがまとまらない
☑️時間や場所の感覚が曖昧
☑️些細なことで「疲れた」と感じる
☑️集中力を持続できない
☑️一度に複数のことに注意を向けられない
☑️計画が立てられない
☑️優先順位を決められない
☑️何かをしようとする気力が起きない
☑️物事に関心を持てない
☑️感情のコントロールが難しいと感じる
☑️非常識な行動をとってしまう
☑️欲求を我慢できない
該当する数が多いほど、
前頭葉(前頭前野)の老化が進行しています。

前頭葉(前頭前野)の衰えを防ぐには、
⭕️ルーティン化されている行動以外の新しい刺激
⭕️笑顔を見る
⭕️会話する
などが有効です。

曜日・時間毎に決まった行動をしていても
前頭葉(前頭前野)に刺激はいきません。

時々イレギュラーなスケジュールを組んでみたり、いつもと違う景色を観ながら通勤したりと、「普段味わえない刺激」を感じることが大切です。

また、居心地のよいコミュニティの中で人と笑顔を交わしながら会話することも良いです。

感情が真っ先に衰えるのであれば、
感情を刺激することを続けていくことです⭐︎

コロナ禍での
❌行動制限
❌マスク着用による表情の読み取り不可
❌会話制限
が長く続いている影響は怖いです。

平成29年度高齢者白書によると、
2025年には5人に1人が認知症になるという推計もあります。

認知機能の衰えを防ぐためにも、
前頭葉(前頭前野)を鍛えていきたいです。

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