呼吸のあれこれ
知っておいてほしいことは、
●鼻呼吸は8割の人が片鼻でしかできない
●数時間おきに鼻の奥にある鼻甲介(びこうかい)と呼ばれる場所が膨張し、無意識に空気の通る鼻の穴が切り替わっている
ということです。
『交代制鼻閉』という現象です。
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交代制鼻閉が起こる理由は
①呼吸負担の軽減
②匂いを感じやすくするため
だと言われています。
片鼻で呼吸をすることにより、
もう一方の空気の流れをゆるやかにし
気管に急激に空気が入り込むことを防ぎます。
人は1日に約2万リットルの空気を呼吸により、
口や鼻から喉・気管・肺に取り込んでいます。
吸い込んだ空気には、
空気中のほこり・煙・カビ・細菌・ウイルスなどの異物がたくさん含まれています。
この異物を肺まで届かないようにガードする働きをもつのが、『粘膜』と『線毛』です。
気道に入った異物は粘膜で捕らえられ、
その下の線毛が大玉送りのようにして異物を外に向かって移動させます。
それらは痰になり外へ排出されたり、
胃で消化されます。
肺に入った異物が排出されるまでの時間は、
およそ30分。
体の中で異物の大玉送りが行われていると思うと、なんだか笑ってしまいます♪
わずか直径1,000分の1ミリの線毛が外部から混入する異物から身体を守ってくれていますが、呼吸が荒くなると線毛の大玉送りが間に合いません。
なので、呼吸はゆるやかなほうがいいのです。
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ゆるやかな呼吸は心身をリラックスさせます。
身体をリラックスさせたい時、
息を吐くことを大事にする理由があります。
脈を測るようにしながら、
大きく深呼吸をして脈のスピードを感じてみてください。
息を吸う時は速く、
吐いている時はゆっくりになりませんか?
呼気と吸気によって脈拍スピードが変わることを、『(心拍数の)呼吸性変動』と呼びます。
緊張でドキドキしている時に息を吐くのは、
この呼吸性変動により心拍を落ち着けるためです。
人は呼吸によって
心と体を調和することができます。
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呼吸によって整えられる自律神経は、
人間の体にとって必要な機能を自動で休みなく行っています。例えば、体温調節などです。
自律神経の働きの低下は、
体のさまざまなところに影響します。
動悸や頻脈などの循環器系症状
下痢や便秘などの消化器系症状
など、ウイルスなどによるものでない症状の多くは自律神経の乱れが原因とされることが多いです。
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体の仕組み上、心臓や腸などの働きを直接コントロールすることはできません。
ですが内臓の中で唯一、間接的ではありますが意図的に動かせる臓器が『肺』です。
呼吸に関与する肋骨や横隔膜は自分の意思で伸縮することができます。
呼吸の質を高めるために肋骨や横隔膜をほぐしたりストレッチすることで、肺の動きも変わります。
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呼吸がしやすい環境を整えて、
ゆったりとした呼吸を繰り返し、
脈と心が落ち着く感覚を味わいながら、
線毛が大玉送りをしているのを想像して
クスッと笑ってくださいね♡