精神安定に必要な栄養素
💡栄養のアンバランスがうつ病リスクを高める
ということが研究でわかったことから、栄養状態を改善して治療が行われるようになりました。
うつ状態の人に不足している栄養素があることが明らかになってからは、国際的なガイドラインでもサプリメントによる栄養補給の有用性が記載されるようにもなりました。
うつ病の治療や予防に効果があるとして、科学的根拠が示されている栄養素は以下の通りです。
❶トリプトファン
精神を安定させる神経伝達物質セロトニンの
原料になります。
トリプトファンの効果は
運動によりアップします。
理由は、運動をすると骨格筋へのアミノ酸のとり込みが増えるためです。
脳内に入るトリプトファンの量が増えれば、
セロトニン不足の解消が促され
うつ病の改善が期待できます。
トリプトファンは体内で生成できません。
食事から
体重1kgあたり2mg程度を
毎日摂る必要があります。
トリプトファンは
豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品
チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
米などの穀類
ごま
ピーナッツ
たまご
バナナ
に多く含まれています。
肉や魚にもトリプトファンが多く含まれますが、動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸は、トリプトファンを脳へとり込みにくくさせる特徴をもつため注意が必要です。
ただし、動物性たんぱく質を炭水化物やビタミンB6と一緒に摂ると、脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。
バランスのよい食事が大切です⭐︎
(不飽和脂肪酸👇)
❷DHA
❸EPA
EPAは、n-3系多価不飽和脂肪酸の一種です。
まぐろ・いわし・ぶり・さば・秋刀魚・鮭など、魚の油にも多く含まれています。
EPAの効果は、
⭕️血液をさらさらにする
⭕️過剰なストレスによる脳の炎症を抑制
⭕️脳を健康に保つ神経栄養因子の働きを高める
国際栄養精神医学会ガイドラインでは
1日1~2gの摂取が推奨されている栄養素です。
(ビタミンB群👇)
❹葉酸
体内の葉酸が少ないことと
うつ病の関連が認められています。
ビタミンB群やビタミンDなどの栄養素は、
うつ症状の改善が期待できる脳の神経伝達物質
セロトニンやドーパミンなどの生成を促します。
葉酸は、
ほうれん草
グリーンアスパラガス
ブロッコリー
納豆などに多く含まれます。
(妊婦さん👇)
❺ビタミンD
(DHAも)
ビタミンDは、
きくらげ
干ししいたけ
しらす干し
など乾物に豊富に含まれます。
妊婦さんには葉酸が必要ですが、赤ちゃんの脳や脊髄を正しく形成するためや、流産や死産を防ぐためです。
葉酸の欠乏が重度になると貧血症状や抑うつが起こることがあるため、産後も必要な栄養素です。
❻亜鉛
脳内の記憶やストレス対処に深く関わる
海馬に多く存在しています。
うつ患者には、
亜鉛欠乏が多くみられるという報告があります。
亜鉛不足が味覚障害につながることは
コロナ禍で周知されましたが、
同時にうつ患者が増えた理由も
亜鉛不足が原因かもしれません。
亜鉛は、
牡蠣
うなぎ
牛の赤身肉
レバー
大豆
などに多く含まれます。
ちなみに、牡蠣は認知症予防も期待できます。
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精神が不安定だと感じる際は、
上記の栄養を積極的に摂りましょう!
五月病を防ぐためにも、
食事の内容を見直し、
サプリメントや漢方などの摂取も検討を!!