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ダイエット≠エクササイズ

フィットネスインストラクターの穂積典子です

 

先日、朝の情報番組の中で、10代や20代の若い女性の摂食障害が、昨年以降急増していると言うことが取り上げられていました

その理由の一つと考えられているのが、コロナ禍による自粛、自宅で過ごす時間が増えたことがあるようです

匿名、顔出しNGで語る少女の一人は、緊急事態宣言で学校が休みになり友達と会うこともなくなると、唯一のコミュニケーション手段であるSNSで、友人の多くがダイエットを始めたことを知り、自分もやらなければと思ったと語っていました

確かその子の身長体重は、153cm、43kgと、番組で紹介されていたと思います

全く減量の必要がない、むしろ痩せ気味の体型です

そんな子が、友達がみんなやっているから自分もやらなければ、と勘違いしてしまうSNSの恐ろしさを改めて感じました

そして、その番組では多くの若い女性が、SNSで拡散されている誤ったダイエット方法に走りがちと伝えていました

その「誤ったダイエット法」に言及した時に、なぜか画面にはスクワットをする女性の動画が映されていたのです

思わず

それは違うでしょ!

とつぶやいてしまいました

 

そもそも、エクササイズはダイエットではありません

ダイエット=Diet

この本来の意味は、

食事 治療や減量などのための規定食 食事療法

あるいはそれらを実施することを意味します

そこには運動の要素は全く含まれていないのです

たぶん、ダイエットと聞いてエクササイズを思い浮かべるのは、日本人だけでしょう(笑)

先の番組内でのイメージ映像は、まるでスクワットをすることが誤ったダイエット法の一つのような誤解を招きかねないもので、公共電波に乗せて発信するのはやめてほしいと思いました

スクワット自体は、ダイエットに関係なく、特に家に引きこもりがちな自粛期間中は、若い人たちにもやってほしいエクササイズです

そんな報道を平気でしてしまう番組でしたが、コメンテーターとして出演していた女性タレントの一言が、心に刺さりました

綺麗になるためにやるのがダイエットではなくて、健康になるためにやるのがダイエットでしょう

先程示したDietの単語の意味からすれば、当たり前のことですが、多くの人が忘れていた、あるいは知っているようで知らなかったことが、彼女の一言に集約されていました

健康になるために食事の内容や食べ方に注意を払うこと、コントロールすること

それが本来のダイエットです

そして、そのやり方はその人の健康状態や目的によって様々です

肥満によって健康を害しかねない方は、体脂肪を減らすためのダイエットをするでしょう

糖尿病であれば、血糖値を抑えるためのダイエットが必要です

アスリートが激しいトレーニングでもコンディションを崩すことなく、トレーニングの成果を最大限に引き出すためのダイエットというものもあります

もちろん、なんの健康上の問題がない人が、その健康状態を維持するために、栄養バランスやエネルギー量、そして心の満足感を満たす美味しさを求めて、食事に気を配るのも、立派なダイエットです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイエットという単語一つを検索すれば、膨大な情報が玉石混交となって溢れ出す時代ですから、情報を発信する側も受ける側も、今一度『ダイエット』という言葉の正しい意味を理解しておきたいですね


言葉の進化?

フィットネスインストラクターの穂積典子です

 

私の専門はエアロビックダンス、あるいはエアロビクスとも言われますね

これを略すとエアロですね

おそらく20年近いキャリアのあるインストラクターの方やそれと同じくらいの年数フィットネスに関わってきた方、あるいは、やはり20年以上エアロを愛好してきた方々は、うなづいてくれていることと思います

 

ところが、いつの頃からかははっきりしませんが、エアロビックダンス=エアロビと、いつの間にか一文字増えていました

どうも、若い人達の間ではそれが当たり前みたいです

テレビなどのメディアでも、エアロではなくエアロビと表現されることの方が、圧倒的に多いように感じます

 

私は未だにこの「エアロビ」という呼ばれ方に違和感、いや抵抗感を感じているのですが、もうこれは時代の流れ、抗えないものなのだと諦めています

 

それに、よくよく考えてみると理にかなっています

 

そもそも、エアロビクスの頭三文字、エアロとは

 

aero-

空気や気体、航空などの意味をもちますが、それ自体が単語ではなく、その後ろに様々な単語が組み合わさって意味をなす言葉の一部にすぎません

エアロビクスの語源は

aerobic dancing

あまりにも長いので、aerobicsという言葉が作られたのでしょうね

aerobicという単語は、「有酸素の」という意味を持ち、aerobic dancingで、有酸素運動としてのダンスを意味するわけです

それが日本では3文字に短縮されて、長いことエアロと呼ばれてきましたが、よくよく考えると、頭ところだけになってしまったわけですから、エアロだけだともっと広い意味を持つことになります

 

エアロパーツ

 

車の走行時の空気の流れに影響し、空気抵抗を減らしたり、走行時に生じる揚力を抑えダウンフォースをもたらす、スポイラーなどの部品のことですね

私も含めて車好き同士の会話では、「エアロ」と言ったらこのエアロパーツのことを示します

ということは、「エアロ」と3文字に省略すると、会話の場面や何に関心があるかによって、全然違う意味になってしまうわけです

 

「エアロビ」と言ったら、もうそれに続く文字は「クス」しか考えられないですね

そう考えると、今時の「エアロビ」という略し方は理にかなっています

 

そこまで言うならあと二文字、省略しないで最後まで言え!

 

と言うご意見もあるかもしれませんが(笑)

 

まだ自ら「エアロビ」と口にするのは抵抗がありますが、これも言葉の進化と認めざるを得ません


○○感

フィットネスインストラクターの穂積典子です

 

数日前、新聞の折り込み広告の中に、某衣料品チェーン店の広告が入っていました
あまり折り込み広告が入っていることがなかったので、珍しいな、と思いながら見ていると、ふと目に留まった文字が

 

 

 

 

 

 

 

 

表面感?

初めて目にする言葉、表現です

表面とは、ご存知の通り物体の一番外側部分、目で直接とらえることができ、手で触れることのできる部位を示します

その見た目や質感は、ものによってさまざま、ツルツルと滑らかなものもあれば、ざらざらしたもの、ふわふわ柔らかいもの
そう、この「ツルツル」や「ざらざら」や「ふわふわ」が、物体の表面の質感を表してるのであって、そうなると、『表面間』とは何ぞや?と考えてしまいます

結局、この広告のコピーでは、この商品の写真でわかる色や形以外は、何も伝わってこないですね(笑)

ここ数年ですが、○○感という言葉がやたらと使われている気がします

この『表面感』と同じくらい不思議な表現が『空気感』です
今となってはけっこう普通に使われていて、テレビ番組のMCなんかが平気で言ってたりします
なので、違和感を感じている人はほとんどいないでしょう

でも、私は初めてこの『空気感』という言葉を耳にした時、

え、何?『感』はいらないでしょう

と思いました

空気=air

別名大気ですね
私たちの周りを取り巻く気体を表します
これが転じて、その場の雰囲気=空気と表すようになったのは、分かります

空気を読む

と言うのは、この使い方のいい例です

この、空気=雰囲気という場合の本来の使い方は、

「緊迫した空気」

などという表現で、その場の状況を表します
つまり、緊迫感が漂う時、『感』の代わりにこの『空気』が使われるのではないかと思います

感≒空気

と言えるのではないでしょうか

だから、『空気感』というと、意味が二重になってしまい、この『感』は必要ない文字となります

「頭痛が痛い」

と同じですね(笑)

そんな表現が平気で活字や音声になって公の場に現れてくるのが、面白おかしく感じます


ムダの美学

フィットネスインストラクターの穂積典子です

つい先日、篠原涼子主演のドラマ『ハケンの品格』が最終回の放送を終えました
ドラマの詳細は、こちらをどうぞ

https://www.ntv.co.jp/haken2020/

最初に放送されたのが2007年で、それから13年の時を経て、また同じ会社に派遣社員として戻ってきた、篠原涼子演じる”スーパー派遣”大前春子の働きっぷりはさておき、さすがドラマは今の社会をリアルに反映したストーリーになっていました
AIに仕事が取って代わられるような社会で、なんとAIが会社のリストラ候補を選出するという、笑えないブラックな出来事も

その最終回で大前春子が言った言葉が、ものすごく胸に刺さります

AIにはなく、人間だけが出来ること、それは『ムダ』

その言葉の裏にあるのは、無駄があるから人間で、究極的に無駄を省いて行ったら、人間のすることはほとんどAIに取って代わられるのではないか?と、勝手に考えてしまいました

折しも今、新型コロナウィルス感染予防のための『新しい生活様式』が推奨されています

移動を控えて仕事は出来る限りテレワークで
ヨガや筋トレはオンラインで
ネットショッピングを活用

等々、なるべく自宅で出来ることは自宅で、人と直接接触しなくてもできることはオンラインでと、これは要するに、移動という無駄を省いた生活ですね

感染予防という観点では、確かに大切なことです
人を宿主とするウィルスは、人と一緒に動き、人から人へと感染します
人の動きを止めれば感染拡大を抑えられるのは明らかです
事実、4月に出された緊急事態宣言後は、全国的に新規感染者が減り、そして宣言解除後人が動き出したとたん、再び感染拡大が起こっています

だから、このコロナ禍を切り抜けるまでは、ある程度移動を制限した生活を送る必要はあるでしょう

ただ、この生活が長く続くと、それが当たり前になるのを私は危惧しています
今、一時的にテレワークで働いている企業の人たちの中には、

なんだ、わざわざ会社に行かなくても仕事できるじゃん

と感じている人が少なくないでしょう

オンラインレッスンでヨガやダンスを楽しんでいる人の中には、

わざわざ大きな荷物を持ってクラブまで足を運ばなくても、好きなレッスンが受けられるなんて楽

と思っている人もいるでしょう

感染予防という大義名分によって、移動という無駄を省いた生活がどんどん浸透していくと、ムダの対象は移動だけでなくなっていきそうです

その先に見えてくるのは、AIに支配された社会
人間だけが持っている『ムダ』なのに、それを放棄した人間は、やがてAIにその役割を全て奪われ存在価値を無くす

そこまで想像力を働かせたら、なんだか背筋が寒くなります

ちなみに私は、テレワークともオンラインエクササイズとも無縁
移動という『ムダ』を、愛車とともに楽しみながら生活しています
もちろん、手洗い消毒マスク着用、感染対策をしっかりしながら、このコロナ禍の真っただ中でも、AIにはできない『ムダ』にあふれた生活をエンジョイしています


新語大賞2020

フィットネスインストラクターの穂積典子です

 

私の住む東京都では、6月を迎えるとともに、緊急事態宣言解除後、経済や日常生活を段階的に元に戻していく『ロードマップ』とやらに従い、ステップ2に入りました

 

そこで頻繁に耳にするようになった言葉、

 

スポーツジム

 

私的には、今年の新語大賞にしたいくらい、今回のコロナウィルス感染拡大と令和二年を象徴する、耳に新しい言葉です

 

そうなんです

 

この業界で働くこと四半世紀以上

未だかつて使ったこと、聞いたことのない言葉なのです

 

それが、ここのところにわかに使われるようになり、違和感を覚えずにいられません

 

政府や都は、おそらく私たちがこれまで認識してきたフィットネスクラブやトレーニングジムのことを示しているつもりなのでしょうが、そう言った施設で働くスタッフ、経営者、お客様いずれも、未だ一度も使ったことがない言葉だと思います

 

施設の名称を思い起こしてみても

 

○○フィットネスクラブ

スポーツクラブ△△

 

とはあるけど、

 

××スポーツジムは聞いたことがないです

 

コロナ禍がもたらした新しい言葉として、新語大賞を授与します(笑)