フィットネスインストラクターの穂積典子です
一昨日、愛車2号機のマーチが緊急入院しました
熱中症、いや、オーバーヒートです
自動車のオーバーヒートとは、人に例えれば熱中症のようなものです
人間に限らず、哺乳類などの恒温動物の体は、体温を一定に維持するため、体温調節機構が働いています
私たちの体は、ただ生きているだけでも熱を生み出すものなので、常にその熱を体外に放出し、体温を一定に保たなければいけません
猛暑日のような高温でなければ、皮膚表面を流れる血液が外気によって冷やされ、体内に熱がこもらないようにしています
それが難しい高温環境では、汗をかいて皮膚の表面から蒸発させ、気化熱という形で体内の熱を放出します
車も同じで、ひとたびエンジンをかけると、走行しないアイドリングの状態であっても、ガソリンを燃焼させることで熱が生じます
走行中はエンジンの回転数も上がるので、さらに多くの熱を発生します
この熱は、エンジンの周りを流れる冷却水によって冷やされます
そして、エンジンの熱によって温まった冷却水は、車体前部のグリルから取り込まれた外気によって冷やされ、ふたたびエンジン回りを循環します
この外気による冷却をさらに効率よくするために、エンジンルーム内のグリルのすぐ内側には扇風機のようなファンが備えられていて、冷却水の温度変化に応じて働きます
今回のトラブルの原因はこのファンでした
普通オーバーヒートというと、真夏の長時間ドライブや、長い上り坂の走行など、エンジンに負荷のかかる走行を長時間行ったときや、渋滞時にエアコンをガンガンつけてエンジンに負担がかかった時などに起こるものです
その他にも、冷却水不足などの整備不良が原因で起こることもあります
今回はそのいずれにも当てはまらず
それは先週末、地元のスーパーに買い物に行った時のことでした
スーパーの駐車場で、水温警告灯が点灯したのに気づきました
さらに、私のマーチには、冷却水の温度やバッテリーの電圧、吸気温など、様々な車両情報を表示するOBモニターがついているのですが、そこに表示された水温が、今まで見たこともないような高温を示していました

この写真は以前のもので、水温は70℃台と低い数値を示していますが、この時は100℃を軽く超えていました
何かまずいことが起こっているのはすぐにわかりましたが、家までは2㎞ほど、10分もかからない距離だったので、なんとか家までは帰れるだろうと、そのままスーパーを後にしました
その間にも水温の数値がじわじわと上昇していきました
そして、マンションの駐車場に着いた時には水温は120℃を超え、すでにエンジンルームから白煙のようなものが出始めていました
いわゆる走行時の負荷によって生じたオーバーヒートの場合は、すぐにはエンジンを切らず、ボンネットを開けてエンジンルームを冷却させるとよいのですが、私は直感的に、これはエンジンをすぐに止めないとまずいパターンだ、と感じました
翌日、いつもお世話になっている販売店に電話して事情を話し、これ以上自走することは難しいということで、週明けにJAFのロードサービスを呼んで、販売店まで搬送してもらいました

そしてその診断結果は、ファンモーターの不具合でした
例のファンが作動していなかったため、冷却水の温度が下がらず、エンジンの熱によって水温が急上昇してしまったわけです
最近、全然ジムカーナの練習会に行っていないので、走行後にエンジンルームを冷やすためにボンネットを開けることが少なくなり、こういう不具合に気づきにくくなっていたようです
モータースポーツは車にかなりダメージを与えることもありますが、その分車のコンディションにはとても敏感になります
人の体がこのようにうまく放熱できなくなれば、熱中症になります
熱中症の予防には水分補給が大切なのは周知のことですが、それと同時に、いかに効率よく放熱するかも考えなくてはいけません
しっかり水分補給していても、汗が蒸発しにくい服装だったり、無風状態で皮膚からの放熱がしにくいときは、要注意ですね
9月に入って急に涼しくなりましたが、まだまだ残暑は訪れると思います
運動はもちろん、高温環境での作業をする方は、引き続き熱中症対策を!
そして、車に乗る方は、たまにエンジンルームを覗いて、冷却水の量やエンジン始動時にファンが作動しているかどうかを、確認した方がいいですね
ちなみに、ファンは水温が低い状態では作動しませんので、エンジンをかけてすぐ確認しても動いていないことが多いです
ある程度走行し、水温が上がった時に確認しましょう