太陽の塔①

映画「太陽の塔」を見て来ました

太陽の塔が大阪万博から48年の時を経て、再びその情熱を取り戻しつつあります
その一つが映画「太陽の塔」
岡本太郎が残した偉大な建造物の”本当の意味”を探る映画です

映画は8パートに分かれており、万博当時太陽の塔建設に関わった人や岡本太郎記念館の関係者、現代の表現者たちのインタビューからなっています

パート①では「万博」開催時にどんな経緯で岡本太郎がメインパビリオンの担当になったかなど語られています
そして、岡本がどんな思いを込めてあの塔を作りたいと思ったか・・・など

パート②は「創造」
万博の「動く歩道」は記憶にありますが、まだ幼かった私には太陽の塔が誰によって作られたのかなど知るわけもありません
しかし、「芸術は爆発だ!」のCMは私でも知っていました
そこで初めて岡本太郎と言う人を知るわけです
前衛的な表現者や芸術家は得てして変わった人が多いですが、
もうひとつ言えることは平和主義者も多いということでではないでしょうか?!
あまりにも大胆なことをすると、ちょっと怖い人のイメージがありますが決してそんなことは無く、純粋がゆえにこみ上げてくる何かがあるのかもしれません
映画ではそんなところにも触れています

そしてパート③、④・・・と続いていきます
細かな題名は忘れてしまいましたが、岡本の生い立ちや芸術活動、作品で何を表現したかったのかなどがインタビューの一つ一つから浮き彫りになってきます
そして途中からそれらが原爆と大きな関わりがあることも紹介されていきます

万博当時は日本は経済成長の真っただ中
物がどんどん生産され、科学や技術の最先端だけが大切だとされていた時代です
では、今はどうでしょう?
生産には安全性が重要視され、科学や技術にもモラルが問われる時代です
岡本太郎は日本人の誰もが疑わなかったあの時代に、既に警鐘を鳴らしていました
学生運動が過激化を増す中、反戦などの思想よりも事件として取りあげられ激しいぶつかり合いの映像だけが記憶にも残っています
誰もが「ギョッ」とするような何かで、そして違法ではないもので表現しなければと、岡本氏は感じたのでしょう

その辺りの考えと大阪万博としての「太陽の塔」の制作、そして未来への議題提議として
最終パートの⑧「贈与」とつながっていきます

ハッキリ言って、この映画ちょっと難しい感はあります
でも、一見安全、安心な日本のようでそうでない現代だからこそ、見るべき映画だと思います

本でも映画でも、美術でも人でも、奥深く知ると別のもが見えてきて楽しいです
そしてそれが自分の人生の糧になれば、なおさらです

映画「太陽の塔」はまだやってます
詳しくはホームページを

P.S. プチ情報です
大阪万博の太陽の塔の兄貴分が犬山にあります
近いうちに行きたいと思います