9月21~23日、東京で開催された日本体力医学会大会に、3日間参加してきました
実は、この学会とのかかわりは古く、まだ大学院生だった平成4年の山形での大会で初めて発表してから、平成16年の大宮での大会まで、毎年必ず演題発表を行っていました
しかし、その翌年夏、AXIAのチーフに赴任してから、ちょうどスケジュール改定期にあたる9月下旬というのはめちゃくちゃ忙しく、学会どころではなくなってしまいました
しかし今年は地元東京での開催
そして、2008年にJAFAのフィットネス指導実践報告会での発表で、特別賞をいただいてから、眠っていた研究魂に火が点き、さらに2009年にはJAFA研究基金から研究費の助成という追い風を受け、晴れて9年ぶりの発表となりました

私の発表は最終日の昨日の午前中でした
同じく、高齢者の認知機能と運動にかかわる演題が5題集まったセッションだったので、聴きに来られている方も、高齢者の運動指導に関わる方や関心の高い方が中心です
発表自体は、練習通りに時間内に滞りなくできました
質疑応答の際に、挙手をしてくれたのは、なんとこの方
http://www.sports.tsukuba.ac.jp/column/post-228.html
かつての競技エアロビック世界選手権チャンピオン、諏訪部和也君です
諏訪部君とは、もう7,8年前になるでしょうか、やはりワールドチャンピオンの伊藤百合子さんと一緒にお仕事をさせていただいたときに、知り合ったのが最初でした
その後、筑波大の大学院に進学したということは、どこかで耳にしていたのですが、会うこともなく、ときどき競技での活躍を耳にする程度でした
その諏訪部君も、いつのまにか大学院博士課程に進んでいました
筑波大学大学院で、彼が師事している先生は、運動と脳科学研究の第一人者、征矢英昭先生

この本で有名になった方です
征矢先生の下で、やはり脳科学と運動について研究をしている彼にとって、エアロビクスと認知機能を関連付けた私の研究テーマというのは、とても興味深い内容のようでした
彼から受けた質問の内容については、ちょっと専門的な側面も多いので、詳細の記述はここでは控えますが、やっぱりエアロを熟知した諏訪部君ならではの質問でした
限られた時間内での質疑応答だったので、あまり突っ込んだディスカッションにはなりませんでしたが、時間が許せば同じエアロビクスを専門とする者同士、もっともっとディスカッションしたかったですね
思えば、最初の研究のスタートから、今日の発表に至るまでに数年間
それがあっという間の12分という発表時間で終わってしまいました
あっけないといえば、本当にあっけなく終わった気がしますが、自分の、いやフィットネス業界の未来につながる小さな一歩を踏み出した気がします
科学的根拠や裏付けが不明なエクササイズプログラムが次々と生まれて流行っては、廃れていく昨今
本当に生き残るべきものは、しっかりとしたエビデンスに基づき構築されたプログラムだと信じています
そもそも、エアロビクスは医学博士ケネス・クーパー氏の理論に基づいた、科学的根拠の明らかなエクササイズです
そのエアロビクスに、従来言われてきた心肺機能の向上や生活習慣病の予防だけでない、認知機能改善の可能性という新しい知見を見出しつつあります
いつか、ACSMのガイドラインや、厚生労働省のエクササイズガイドの一項目に、認知症予防に効果的なエクササイズとして、エアロビックダンスを推奨する、なんて記載が加わるようになったら、本望です