心の洗浄のために
9月にシネ・ウインドの会員になってから、
ほぼ毎週欠かさず通っています。
映画はもともと好きですが、
全国で一斉公開される最新の作品ではなく
シネ・ウインドならではの厳選された作品を
取り憑かれたように観ています。
午前1本・午後3本と
一日で4作品しか上映されないため、
行ける曜日と時間が限られている私にとっては
予告で気になった作品が観れることは奇跡です。
運命を感じた作品は
いまのところ
一本も欠かすことなく観れています。
それがとても幸せ♡
本当に、なぜ今までシネ・ウインドの世界に飛び込まなかったのか、悔やむばかりです。
【人生は、美しい】
2022年に公開された韓国映画です。
突然の余命2ヵ月宣告を機に、初恋の人との再会を願う専業主婦のセヨン。おこりんぼの夫はそんな妻の最後の願いに戸惑いつつ、一緒に初恋の人探しの旅に出るというお話です。
ミュージカル調に歌とダンスでストーリーを盛り立て、過去と現在をふわりと繋ぎ合わせて心にやさしく寄り添うあたたかいタッチの作品で、終始涙が止まりませんでした。
「生きていられる時間は限られているのに、眠る時間がもったいなくて寝られなかった」
そう言って涙を流すセヨンが切なくて。
夫ジンボンの
不器用な愛し方が切なくて。
生きている間のやりたいことリストに
【愛されたい】と書いたセヨンが切なくて。
愛を伝え合った夫婦の最後が切なくて。
悲しいはずなのに、
セヨンの最後が眩しく輝いていたから、
セヨンがいない未来も清く明るくあたたかく
セヨンがいた頃と変わらぬまま続いていく💞
そう思えて、柔らかい気持ちになりました。
誰かと思い出を共有することは
生きた証を残すこと
思い出を抱えて旅立つ人
思い出を抱いて生きる人
「美しい」とは、
色・形・音などの調和を快く感じられるさま。
人の心や態度が好ましく理想的であるさま。
肉親をいとしく思うさま。
『人生は、美しい』
まさにセヨンそのものを表すタイトルでした。
【ぼくは君たちを憎まないことにした】
2015年のパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を失ったアントワーヌ・レリスさんが綴った手紙と、事件からの2週間の日常を書いたノンフィクションが映画化された作品。
【人生は、美しい】では涙が止まらなかったのに、こちらの作品では涙が一滴もこぼれませんでした。
多分、自分に置き換えることができないほど、現実なのにどこか異世界の話のようで、平和ボケした私の頭では凄惨さや悲しみの深さを想像することすらできなかったからだと思います。
事件の背景を検索して読むと、
さらに理解し難いことが増えていきます。
いま世界で起きているあんなことやこんなことのすべてはこの先も永遠になくならないのだと、そんなことのほうが容易く悟れてしまうことが、人間の愚かさを強調させます。
するかしないかの2択しかない選択を
なぜ人は間違うのか。
ただただわからなくて、
想像すらできなくて、、、
ひとつ言えることは、
いや、ひとつだけ確実にできることは、
『自分の選択を間違わないこと』
それならできると言いきれる。
みんながたったひとつのことをできるだけで
世界は平和になるのに。
なぜこうも難しいのか。
この世界にのこされた生きる者たちは
のこされ方によって続く未来が変わってしまう。
それでも、いずれ死ぬということは変わらない。
ならばどういう人間で最期を迎えるのが幸せか。
愛してもらえなかった
理解してもらえなかった
やさしくしてもらえなかった
してもらえなかった。
してもらえなかった。。
してもらえなかった。。。
結局、
自分を愛せず
自分を理解できず
自分にやさしくできなかった人が
人を傷つけ憎まれて最期を迎えるのではないか。
さもしい人間の命はさもしく終わる。
そんなことを思いながら映画を振り返り、
今日もまっすぐに生きようと誓います。
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SNSで誹謗中傷を繰り返す人たちは、心の洗浄のために、映画や絵画、舞台やライブなんかの『人がつくるもの』を観たほうがいい。
画面ばっかり見ているから、
さもしく腐っていくのだと思います。
腐って溶けながら朽ちていくのがお望みなら勝手にそう生きればいいけれど、人を傷つける権利は絶対にありません。
いい加減、
人の日常の平和を脅かすのはやめましょう。
セヨンのように生き抜こう🕊
mana