感謝を込めて

今は移動時間15分ほどで行ける施設で仕事をすると決めて働いていますが、10年前は活動範囲が広く、新発田市にも通っていました。

同級生のツテで入ることになったスポーツクラブは、何年くらいお世話になったでしょうか。

自分の生活圏内だけで働くことを決めた私が退社した数ヵ月後に施設も閉業し、お客様数名が私が勤務している別の施設に入会されました。

もう10年以上のお付き合いでした。

私のエアロビクスのクラスが大好きだとおっしゃってくださり(たぶんお客様の中でも一番好いてくださっていたんじゃないかな…)、私がエアロビクスのクラスを持たなくなったことを残念がっていました。

ご夫婦で私のクラスに参加してくださり、互いの健康を気遣いながら一緒に健康づくりに励まれる姿は私が理想とするカタチで、仲睦まじいお二人にいつも癒されていました。

私のクラスで一生懸命メモをとるお客様がいらっしゃいますが、奥様もそのうちのお一人でした。

あまりお話しする時間をもつことはできなかったのですが、時々私のブログやSNSの投稿で見た場所へ行ってきたことを教えてくださり、たまの会話がやけにくすぐったかったことを覚えています。

薄々気づいてはいましたが、
訊くことはしませんでした。

悟られまいと気丈に振る舞う人、
完治した後に教えてくださる人、
これまでいろんな方のお姿を見てきました。

私にできることなんて限られています。

手に入れたいと願うものを
私の精一杯で手に入れられるようにお手伝いする
ただそれだけです。

毎週だったのが、数週間に一度になり、
その間隔がどんどん空いて、
それでも時々見かけては安堵して、
最後にお会いしたのはいつだったのか…

エアロビクスのクラスをレギュラーで再開するつもりは今もないのですが、時々ならと思い、昨年から不定期のイベントで実施するために計画を練っていました。

3月そして4月の日程は決まっています。

お誘いしようと思っていたんです。

昨日の1本目のレッスン中たしかに
(最近ご夫婦ともにお見かけしないな〜)
と思っていたんです。

1本目が終わって着替えに行こうと歩いていると、旦那様をお見かけして、(なんとタイミングがいい)なんて思っていたんです。

年末に奥様が亡くなったことを聞きました。

色々と遅かった。

いつなら間に合ったんだろう。

いつ何をすればよかったんだろう。

またねの約束が100%実現する保証はどこにもないのだと、いつも忘れずにいたはずなのに。

『もう一度』を叶えられなかったことを悔やんでいるのだけれど、どの『もう一度』のことなのか、あれもこれも全部なのか、よくわからない。

もう、同じ場所で、同じ時間、同じことを一緒に楽しむことができないことが悲しい。

遺影は、
お人柄そのものの柔らかく美しいお姿でした。

もうその笑顔を見れないのだと思うと寂しくて。

次のレッスンがあったので、
お話もあまりできぬままコソコソと倉庫に入り、
着替えをしながら泣きました。

レッスンとレッスンの合間は5分。
気持ちを落ち着けるには足りない短い時間で、嗚咽を漏らしながらマスクをつけ、お客様に背を向けながらレッスンをしました。

オープニングトークをする前に、ふぅ。っと無意識に漏れ出た声で現実に戻り、きちんとスイッチを入れていつもの指導ができたように思います。

けれど、帰り道、そして娘の習い事の送迎中も、
勝手に涙が流れてきて。

正直しんどい。
けれど、時間は止まってくれません。

今日もいつも通りに出勤し、いつも通りに仕事をし、いつも通りの日常を過ごしながら、こうして文字にして心が壊れないように保っています。

だって毎年さよならする人がいるんだもの。

すごく悲しいのにきちんと悲しいを消化しきれないまま、ふたをするようにして笑顔でいるのって、そんなことができる自分を変だと思うし、人としてどうかなと思うこともあるけれど、笑顔で元気を届けるのが私の使命だからと自分に言い聞かせています。

知らないと思いますが、
いないと心配するんですよ。

スタッフに最後の来館日を訊いたりして、
安心したり不安になったりしているんですよ。

一週間に一回お会いするだけの人でも、
一週間に一回も会えているのだから、
その積み重ねを長く続ければ
家族よりも会う時間が多くなり
家族同然になっていくんですよ。

孫や娘のように可愛がってくださる人がいなくなる度に、家族を失ったような喪失感に襲われます。

「お休みします」の一言は義務ではありませんが、ないと色々心配です。

心配しないと勝手に決めつけないでください。

読んでいるかはわかりませんが、
2月から来館して私と会う約束、
絶対に破らないでくださいね。

スクショして保存していたメッセージ。

大好きだと言ってもらえたエアロビクス指導を
不定期で再開します。

もう一度ご一緒したかった。

もう一度を叶えてあげられなくてごめんなさい。

毎回思い出しながら華麗に舞うので、
一緒に踊ってもらえたら嬉しいです。

「ありがとう」の言葉を胸に、
これからも運動指導者を続けます。

応援していてね。

頑張った分、ゆっくり休んでくださいね。

母のような愛情をありがとうございました!

感謝を込めて
mana

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