集めてはいけないもの

30歳になったばかりの若者の訃報は辛い。

検索ワードに名前だけが浮上した時に
なんだか嫌な予感がしたけれど、
その嫌な予感が的中して胸が締め付けられる思いだった。

あるツイートで、

華やかで幸せそうに見えていた僕らの勘違いが、一人の人間としての人生を窮屈にさせてしまっていたのかもしれない

とあった。

それを読んで、その通りかもしれないと思った。

人は誰しも少なからず闇を抱えている。

闇の性質は違っても、
「一寸先は闇」という言葉があるように、
今は明るく光に満ち溢れていても
いつ闇が来てのみ込まれるかはわからない。

のみ込まれまいと必死にもがくことが
生きるということなのかもしれないけれど、

終わらせたいという気持ちが心を蝕んでいくことは、
幸せで心が満たされることと同じくらい…
それ以上のスピードで進行するのかもしれない。

「なぜ?」を考えても
真実の全ては本人にしかわからないけれど、

人が死んでしまうかもしれない原因となりうることをひとつずつ消すことはできる。

死に至る可能性は
人一人の小さな努力と思いやりを
みんなで集めれば
限りなくゼロにすることはできるのではないかと思う。

真実はわからないけれど、
ネット上での誹謗中傷があったのは事実。

集めてはいけなかったものが死に繋がってしまった可能性は消えない。

とても悲しい世界。

一人の娘をもつ母として、
子どもたちを預かる者として、

心配と不安が押し寄せる。

守れるだろうか…

守ろうとすることはできても、
100%自分が守り抜くことは難しい。

盾になることはできても
矛を構えることはできても
最後の最後は本人にしか回避できないこともある。

大人としてできることを考える。
答えはあるけれど、全部は一人では抱えられない。

だからやっぱり、
一人一人が真剣に人を想うことが大切で
その想いを大きく繋げ広げていくこと。

そんなに難しいことではないはずなのに、
そんなこともできない人間は愚かだ。

演技が好きだった。

笑った顔が好きだった。

爽やかに透き通る瞳で、うつるものをクリアに見ようとする姿勢が好きだった。

明るい世界をつくろうと、しなやかで芯の通った自分の考えを優しく届けようとするまっすぐさが好きだった。

ご冥福を心からお祈りいたします。

世界は変わらなくてはいけない。

小さな小さな生き物の一人にすぎないけれど、
世界をつくる人間の一人だと自覚して
責任をもって生きようと思います。

mana

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