光の宿った目で生きる

観ないと決めていたのだけれど、
観なきゃいけないような気持ちになって、
ゆめと。

本当に、本当に、観て良かった!

非現実的な物語だけれど、
リアルと空想と、理想と幻想と、
とても良い具合に混ざりあって

予想通りの結末だったけれど、
それで「あぁ良かった」と思えたのは、
【意志を受け継ぐ者】の存在が
物語の中にも
そして現実世界にも感じれたからかもしれない。

夏に綴ったブログ

画面に出てきた瞬間に
込み上げるものがあって
嗚咽しそうになった。

画面いっぱいに広がる表情と
劇場いっぱいにこだまする声とセリフとが
現実と映画の世界を行き来させる。

映画の世界に浸っている時、
何かの拍子にふいに現実に引き戻されるのが
あまり好きじゃない。

現実と非現実の狭間でもなく、
非現実世界に飛びたくて映画館に足を運ぶのに
現実世界に一時的にでも思考が飛んでしまうことに、いつもは嫌悪感を抱く。

けれど今日は違った。

鑑賞中の半分を現実に思考を置きながら、
それが嫌でもなく
それどころか心地よく
そして寂しくなったのは、
助演の立場にいながら圧倒的な存在感を放った
春馬くんのおかげでしょう。

作品の中の彼は、松平元康(徳川家康)の役でした。

【皆は無茶だと笑うが、わしはな、戦のない泰平の世をつくりたい】

セリフだけれど、
現実世界で彼が願っていたことと重なるのではないかなと思って、悲しくなりました。

【よく考えろ。お主が何を信じて光となるか】

【周りを照らし導く光が、お前の中に宿っておる】

『良い目』というフレーズが何度か出てきます。

演者のどの人も良い目をしていたけれど、
圧倒的に良い目をしていたのは春馬くんでした。

大きく穢れのない真っ直ぐな瞳で訴えかけてくるものすべてが、セリフではなく本人が本音で語る本心なのではないかと感じさせました。

『人が一人死んだことにそれだけ悲しめる、そういう世界』と現実世界を表現するシーンがあります。

戦国時代は、
人の生死にどういう想いを感じていたのか
命の重みをどう解釈していたのか
それはわからないけれど、

世界が『そういう世界』であることの美しさや
『そういう世界』となれた過程を考えると、
歴史を学ぶことは必要だなぁと思いました。

ゆめが歴史好きで良かった。

そして、
『そういう世界』となるよう願っていた先人たちに感謝して命を継ぐことに一所懸命になろうと思いました。

いっしょけんめい[一所懸命]
一つの所領を命を懸けて守り抜く

家康が、
自分が命を懸けてつくりあげてゆく未来を想像して「胸が躍る」と嬉しそうに笑うシーンがあります。

役者の中には、役が自分に乗り移って人格が変わってしまう人もいると聞きます。

未来を想像して胸が躍る家康と同じようにあれば良かったな。

『Night Diver』のPVを見ると、
暗がりの中で春馬くんには光が当たり、
春馬くんから光が射しています。

家康から出る『光』という言葉が、
強く優しく、そして物哀しかった。

命について考えさせられ、
小6のゆめに観せて良かったと心から思えた作品でした。

あの目が、あの眼が、あの瞳が
やっぱり好きだった。

良い目をする人になろう。

mana

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