運命に感謝して
2019.3月 教室だよりより
☘
上野紀子さんが亡くなりましたね。
【ねずみくんのチョッキ】や
【ちいちゃんのかげおくり】の絵を描いた方です。
何度も目にしたことがあるのではないでしょうか。
作者のあまんきみこさんが文で描いていくイメージに寄り添うように、誰しもが共通して想像するであろう情景を巧みに描かれていました。
ストーリーも心に刺さる後世に残したい素敵な作品ですが、私が大切な一冊だと思うのにはある先生との思い出があるからです。
☘
小学3・4年生の時の担任だった玉木先生はとても大好きな先生でした。
ベリーショートでパンチパーマのようなパーマをあて、いつも真っ赤な口紅をつけているおばさん先生でした。
見た目も強烈ですが、ハスキーボイスで怒った時の顔が怖いこと^^;
音楽の授業の時に、TRFのmasquerade(マスカレード)という曲が好きだと話した先生をファンキーだなと子どもながらに思ったのを覚えています。
夏木マリさんが大好きな今の私の根底には玉木先生があるのだと思います。
忘れもしないその音楽の授業で
ふざけた男子を叱り、
「私の喉にはポリープがある!大きな声で怒らせて、あなたたちは先生を殺す気か!」
と怒鳴った姿を思い出しては、
あの頃から病気がちだった先生にもっと優しく…
生きているうちにもう一度会いたかった…
と、亡き今となり叶わぬ思いに胸が苦しくなることもあります。
☘
玉木先生のことは前にも教室だよりに綴ったことがあります。
そう、おっちょこちょいのあの先生。
大好きすぎて
学習係になって毎朝職員玄関で先生を待ち伏せし、朝一番の「おはようございます」を自分が言えることが嬉しかったあの頃。
先生の言うことに何でも笑顔で素直に従っていたいい子ちゃんの私は、休日に電話で学校に呼び出され、【ちいちゃんのかげおくり】の感想文を書きました。
コンクールに出すために。
きっと私なら喜んで学校に来ると思ったのでしょうね(笑)
実際に全速力で学校に行きましたから😘
ご褒美におやつをもらって
先生に頭を撫でられ、
ありがとうと言われ、
嬉しくて嬉しくて、
余計先生を好きになりました。
と、ひとつのニュースから大切に思う一冊が出てきて忘れられない思い出が蘇るわけです。
この、休日に生徒を学校に呼び出しちゃうおっちょこちょいな先生と私の秘密の思い出が、今の私の心の栄養剤になっているのは間違いありません。
子どもたちにもそういう先生と出会ってほしいし、友達だけでなく先生との思い出もつくってほしいです。
☘
学校の先生は
大人になるまでに出会う大人の一人で、
自分を無条件で大切に育ててくれ、
たくさんの教えを贈ってくれる貴重な存在です。
もちろん中にはそれに該当しないケースもありますが…成長する過程の中で少なからず学びのシャワーをあたたかくかけてくれる存在だと思うのです。
感謝の気持ちを忘れずに、
時に甘え
時に反発しても受けとめてもらいながら、
先生の心に残る生徒でいてほしいです。
☘
4月は新たな出会いの季節です。
人生史においていつ思い出しても輝き続ける、先生との素敵な出会いがありますように☆