マズローの法則

2022.09.03

『なにが彼をためらわせるのであろうか、なにが成長を妨げるのであろうか、どの点に葛藤があるのであろうか、成長に代わる別のものはなんであろうか、人にとっては、成長することがどうしてそんなに難しく、辛いのであろうか。我々は満たされない欠乏欲求が固着や退行へと導く力について、安全や安定の魅力について、苦悩・恐怖・喪失・脅威に対する防衛と保護のはたらきについて、成長のための勇気を求める欲求について十分に知らねばならない。』

マズローの法則とは、
「人間の欲求は５段階のピラミッドのように構成されている」とする心理学理論で、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズロー（1908～1970）が考案したものです。

マズローの法則は、
「マズローの欲求五段階説」「自己実現理論」
などと呼ばれることもあります。

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マズローの法則の欲求は
①欠乏欲求
②成長欲求
この２つに分類されます。

マズローは、人間以外の動物は欠乏欲求のみをもっていて、成長欲求は人間特有の欲求であると考えていました。

『満たされない空白を埋めようとする欲求』であり、欲求階層においては「自己実現の欲求」以外の生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・承認欲求、この４つの欲求が欠乏欲求だと説明されています。

欠乏欲求はマイナスをゼロにするイメージです。

一方の成長欲求とは、
『欠乏感を埋めるものではなくむしろ自分の内側から溢れ出てくる豊かさから生じる欲求』とされ、「自己実現の欲求」のみが成長欲求に当てはまります。

イメージは、
ゼロをプラス
もしくは
プラスをさらにプラスへと高めるものです。

グラスに例えて似た話をする場合もありますが、
その場合は、ピラミッドの最下層にある欲求から順に満たしていき、最後に水が溢れ流れる状態を「自己実現の欲求」が満たされたこととして言います。

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マズローの法則についての英語の原文では欲求について以下のように英単語で表現されています。

「欠乏欲求」＝「deficiency needs」
これは欠乏・欠損・不足・欠陥を意味し、
「成長欲求」＝「growth needs」
これは成長・発展・増大・生長などを意味します。

欠乏欲求は自分自身で満たすのではなく、自分以外の他者あるいは社会や環境などといった外的な要素によって満たす（満たされる）必要がある依存的な欲求と位置付けられています。

ゆえに欲求が満たされるためには自分以外から苦痛や辛さといったストレスを受けやすく、他者や環境といった変えられないものや厄介なものに対峙しなくてはなりません。

仕事の目的が、
「衣食住などの確保・安定」＝生理的欲求
「お金」＝安全欲求
「居場所」＝社会的欲求
だけである場合は、欠乏欲求を満たすために頑張ることになります。

その場合は
受け身で消極的であることが多いのが特徴です。

能動的に本心から楽しみ、積極的に行動した結果、悦に入ることができる状態こそが成長欲求…自己実現の欲求が満たされたことになります。

欠乏欲求が満たされたと感じる時、それは喜びのピークへの到達とそれに伴う緊張やストレスからの解放や解除を意味します。

ピークがあるということは、
それは一時的なものであることを示します。

一時的な喜びの感情を過ぎると、またその次の喜びに向けての辛苦と闘う努力を強いられることになります。

不満と一時的な満足を繰り返さなければならないのが、欠乏欲求の特徴です。

マズローは、欠乏欲求について
『欠乏欲求の満足は、偶発的になりやすく、やまがある。ここで最もよくみられる図式は刺激状態、動機状態ではじまり、目標状態に達するよう仕組まれた行動が動機づけられ、次第次第に着実に願望や興奮を高め、遂には、成功と達成の瞬間に絶頂に達する。そしてこの願望・興奮・快楽の頂点から、速やかに静かな緊張解除という高原状態に移り、動機は消滅する。』
と話しています。

そして、成長欲求に関しては
『この図式は、どのような場合にもあてはまるとはいえないけれども、いずれにしても成長動機における事態とは際立って対照的である。というのは、成長動機では、その特徴としてクライマックスあるいは極致といわれるものもなければ、オーガズム的瞬間もない。終局の状態もなければ、漸層法的にいうと、目標さえないのである。』
と説明しています。

成長欲求が右肩上がりで上昇し続けるのに対して、欠乏欲求は一定の領域内で上下運動を繰り返し、多くの人はその上下する激しい波に右往左往され疲弊します。

目標に辿り着くのがゴールではなく、そこに至るまでの過程で起こる全てのことをただの事象やゴールへの手段と成り下がらせるのではなく、歩を進めること自体を目的とすることができるならば、それは自己実現への第一歩であり、果てしない冒険の地図づくりを自分で描ける楽しさや面白さを味わいつくせる豊かな生き方となるでしょう。

「仕事は遊び」
「仕事とプライベートの境がない」
と言う人は、目的と手段の境がなく、それらが一体となり同一化している人と表現できます。

成長欲求が満たされている『自己実現者』は、
成長することがモチベーションとなっています。

また、自己実現者はあらゆる場面において、自分自身の内面と向き合う自己探求と内省によって物事と向き合い必要な対処法を見つけます。

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人間は生きて年を重ねる度に、未知の対象に対する恐怖と、悪い結果などを危惧する恐れの心に支配されていきます。

それは人間に感情があるからで、だからこそ人間のみが抱き得られるのが成長欲求です。

自分の能力や可能性を最大限に発揮させようとする力を育み、欠乏欲求を満たすことに躍起になるのではなく、真実の自分をきちんと存在させ、内在する人間性や価値観を自然と解き放てるように…🍀

そして自分で自分を満たし、
日々の生活すなわち生きる時間すべての一瞬一瞬にときめきながら、
他者の幸せを願い、他者のために行動し続けられる人に成長できるように…🍀

久しぶりに耳にした『マズローの法則』から、自分の生き方を内省し、書きながら豊かな時間をもてました☺️

今日も自分に花丸です💮💐

mana