運動指導者の在るべき姿

日本からだワーク®︎協会としては通算6回目となる
「乳がん」に関するセミナーを
10月9・16・17日に開催いたしました。

以前までは啓蒙活動も兼ねて
一般・運動指導者問わずご受講いただき、
乳がんの予防や検診の必要性をお伝えしてきました。

今回は運動指導者に対象を絞っての開催でした。

なぜ運動指導者を対象に
セミナーを開催したのか。

それは入院・通院のリハビリから離れ、
日常生活を送りながら自力でリハビリを続けているがんサバイバーさんが大勢いらっしゃるからです。

医療と治療そして日常でつくる健康づくりの狭間にいらっしゃる方、
身体のためにどこで何をどのようにするのがいいのかわからずにリハビリや今後の身体にとって欠かせない運動というものから遠ざかっている方は少なくありません。

運動指導者として当たり前のように提供している運動ですが、
ほんの一部の人にしか届いていません。

目に見えぬところで実は困り、
運動に壁を感じてハードルが高いと一歩を踏み出せずにいる方がいるのは、
運動指導者が手を広げ受け止める体制ができていないからのように思います。

施設や場所的な問題もありますが、
それよりも大きな問題は圧倒的な人員不足…
それは人それぞれが持つ身体の個性に寄り添って的確に指導ができる人の少なさです。

身体の個性そのものに対する知識がなければ、
必要なものを届けることはできません。

まずは情報収集をして現状を知り、私たちに何ができるかを考えていかなければいけません。

そして声を上げ、
「あなたのための運動指導者がここにいる」
と発信し続けることが大切なように思います。

昨年の乳がんサバイバーさんとの取り組みは、私たちに大きな気づきと学びを与えてくれました。

運動指導者に必要なのは
体への知識や提供する運動プログラムの質・指導技術だけでなく、
【心】が大切であることを。

向き合い寄り添う準備は
してもし足りないくらいで、
デリケートでセンシティブな問題にも
自分の軸と覚悟を持ち、
慌てず焦らず人として備えておきたい【心】を
きちんと持ち合わせ、
そのとき特別になるのではなく
普通にあるべき姿として居続けるということ。

とても難しく思いがちですが、
相手が誰であろうとも心を通わせ寄り添い、
その人を心から想うことに変わりはありません。

ただ「わからないこと」に対しては
身構えてしまいがちで、
それはきっと
余計な不安や不信感を与えてしまいます。

そうならないように、
わからないことを知ろうとすることが
大切なのではないでしょうか。

今回セミナーにご参加くださった皆様は、
大切な方が乳がんサバイバーさんであるようでした。

乳がんの情報を目にしていても、
乳がんサバイバーさんの本当の心の内を深く知ることは難しいかもしれません。

大切な人なら尚更
訊きづらいこともあると思います。

セミナーでは、
協会の取り組みにご協力くださった乳がんサバイバーさんの術後間もない時にインタビューさせていただいた動画と、
術後一年以上を経ての現在のご様子を伺った動画の両方を観ていただきました。

いま、
言葉では表しきれないお姿がそこにあります。

表情はとても朗らかで明るく豊か。

発する言葉のひとつひとつに重みがありながら、軽やかに弾む声。

満たされた日々の充実感、
自信と希望とが胸いっぱいに溢れ、
全力で生きることを楽しんでいるそのお姿は
イキイキとして見ていてとても眩しいのです。

その眩しさの裏には
ご自身の元々の心の在り方が大前提ですが、
そこに寄り添った運動指導者の存在があっての今だと嬉しいお言葉を頂戴できたのです。

運動指導者が存在する意味や意義を
改めて実感させていただき感謝すると同時に、
運動指導者としての在り方を見つめ直し
今後も尽力しなければならないと
身が引き締まる思いでした。

乳がんの術後、乳がんサバイバーさんのためだけの特別な何かがあるわけではありません。

気をつけなければならないことはありますが、
必要な運動は有酸素運動と筋力トレーニングで、
生活習慣病を予防するため・健康を維持するために私たちが普段している運動そのものです。

胸まわりを気遣っての運動は、
四十肩や五十肩の症状緩和の際に行うものでも良いとされています。

経過や状態にもよりますが、
病院から離れ医師から特別な指示もなく、
日常へと戻った方の多くは一般的な運動が必要となります。

けれど、
わからない【運動】のこと。

運動指導者の出番だと思いませんか?

高齢化社会・長寿社会において私たちは、
長きにわたり、
体に起きる様々な変化と上手に付き合いながら
生きることになります。

そんな時、
一生涯寄り添い、ともに健康を考え伴走してくれる運動指導者がそばにいてくれたら、
人々にとってこれほど心強いことはないのではないでしょうか。

求めている方に、運動が届いてほしい。

運動指導者がお役に立てるということを
人々はまだ知らないかもしれない。

「あなたとともにあなたの身体の未来を背負う覚悟がある運動指導者がここにいる!」
というメッセージを一緒に発信し続けましょう!

運動を必要としている方が
安心して一歩を踏み出せる場をつくる

その一歩を「せーの」で一緒に歩み出せるように、手を広げて『大丈夫だよ』と迎える準備をする

歩み出したら、
必要とされなくなるまでそばに居続ける

同時に、自分の存在がなくても健康意識を維持できるような仕組みを構築しておく

どれも運動指導者の役目です。

日本からだワーク®︎協会の取り組みが、
一人の乳がんサバイバーさんの力になれたことを心から嬉しく思います。

この度のセミナー開催にあたりまして、ご協力くださりました皆様に心より感謝申し上げます。

🎀

日本からだワーク®︎協会 マスタートレーナー
鍬間愛美

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