花束みたいな恋をしてね
ずーっと観たかった作品がやっと見れて嬉しい♡
空気感がとても好きな2人が主人公の作品。
今どきすぎず、ダサすぎないカップルが、
よくありがちで、けど現実とはちょっと違うストーリーを織りなしていくのが小気味よかった。
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どちらか片方が相手に合わせたり調和させながら距離を縮めていくことはあっても、あそこまで完璧に趣味嗜好がリンクするなんて・・・
とは思いつつ、現実世界にもきっとあるんだと思う。
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意図せずお揃いになったスニーカーや
ペアルックが可愛いなぁと思いつつ、
そこを主体に表現される2人のすれ違いや崩壊を嫌でも予感させられるのがなんとも悲しかった。
変わっていく容姿
変わらない容姿
容姿にも2人の価値観や描く未来理想像の異なりが表れていて、それも寂しかった。
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ひとつ現実世界と違うなぁと思ったのが、
いわゆる男女ならではの思考のクセが逆転していたこと。
現実的な麦(男)と、夢見がちな絹(女)
私が知る男女の姿とは別の2人が見ていて痛々しくて歯痒かった。
急ぎ転がるように大人になり、
急いで自分が嫌悪していた社会人に染まっていった麦。
何度も重ねて重たくなっていく呪縛の言葉。
『仕事だから』
あれだけ否定していた大人にどっぷりと浸かって逃れられない自分を一番否定して…
対する絹は、いつまでも子どもで(笑)
笑っちゃうくらい大人になりきれない絹を
時々「可愛い」と思いながら、
顔が可愛くなかったら終わりよ・・・って毒吐く自分に一番笑いました。笑
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どちらも純心から始まり、
純真から純粋へ。
そういう描写が曖昧で違いがわからないほどの小さなヒビから止まらない大きなヒビへと広がっていった心の溝のすべては、
最後のファミレスのシーンで。
一見同じことを想い泣いているようで実は異なる過去と未来をみていると推測させた涙は、
もう2人はどうにもならないのだと実感させ、
(もう少しお互いが、別々にでもあと何歩か歩いたら、また一緒に生きればいいのに・・・)と誰も言えなくなるパンチ力でした。
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幸せしかない時間と
終わりへ向かっていく時間の長さの体感が、
終始静かにゆっくりと進んでいくのに怯えながらジェットコースターに乗っているかのような錯覚を起こし、
時々息をするのを忘れていたと思います。笑
観てよかったと思える作品でした。満足♡
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『別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます』
本好きの2人を繋ぎ、
何気ない【花】という言葉から出た川端康成さんの小説の一節。
(私なら毎年花を見るたびに思い出されたら気持ち悪いな。笑)と思ってしまうけれど、
それが束になるわけだから、
元恋人を思い出すことに辛さも悦びも感じないくらいに存在も思い出も自分の意思とは無関係にそこにあり続けるということで・・・
いいか悪いかは別として(笑)
ゆめにも人生で一度くらいはそんな恋をしてほしいなと願う母でした🙋♀️
mana