これからも

2025.05.31

私は、教室の保護者面談の時間が大好きです。
ですが、最近は面談を希望するご家庭がほとんどないので、少し寂しいです。

忙しいのもあるだろうし、私が面談できる時間に限りがあるせいかもしれないし、信頼いただいているからかもしれない…
理由はさまざまだと思いますが、連絡や相談のほとんどをメールやLINEで行うのは、考え抜いた言葉のやりとりができて、伝えたいことの抜けもなく効率的でもありますが、会話が広がりにくいなとも思います。

教室だよりの開封率はいつも100%に届かず、ゆめの高校のwebだよりの既読数が明らかに少ないところをみると、あまり学校や習い事先に関心がないのかもしれません。

それでも、心に残った教室だよりを印刷してファイリングしているというご家庭もあり、そんな話を耳にするととても嬉しく思います。

在籍中の子どもたちには、学習済のプリントを束にして、手書きの手紙と一緒に渡します。
卒業時には、パソコンで打った1,500〜2,000字の手紙を渡します。
中には、いつも目にとまるように学習机のカバーに挟んでいるという子や、宝物箱に入れているという子もいて、書いてよかったなと思います。（捨てている子もいるでしょうけど(笑)）

私がいつか中学校の恩師からいただいた手紙もパソコンで綴られていて、それを見た時に（手書きじゃないんだ…）と少し寂しい気持ちになったのを覚えています。
なので、最後に渡す手紙が手書きではないことをこれでいいのかな…と思うこともありますが、順序立てて文章をまとめ、確実に伝えたいことを伝えきるためにそうしています。

４月のとある日、教室に突然の来客がありました。

スーツ姿の男性を見て、時期が時期なだけに営業かな？と思ったので、少し怪訝そうな顔をしていたかもしれません。

誰だろう？と思いながら玄関に向かうと、数年前に卒業した兄くんと３月に卒業した弟くんのお父さまでした。

中学校の入学式の帰りに、お一人で寄ってくださったようです。

ずっとお会いしたかったです。
上の子の時からお礼を言おう言おうと思っていましたが、なかなか機会がなく今日になってしまいました。
子どもたちに心のこもった手紙をありがとうございました。
一人一人をあれだけ細かくよく見てくださり、理解し寄り添ってくださり、すごいなと思っていました。感謝しています。
妻はいただいた手紙などを大切に保管して時々読み返しているようです。

こんな感じのお言葉と、子どもたちの最近の様子、親として感じていることなど、10分ほど立ち話をさせていただきました。

お礼メールをいただくことはあっても、教室までお越しいただくことはそう多くはないので、とても感激し、涙が出るほど嬉しかったです。

教室最終日の前には、お母さまがお菓子をもって教室に来てくださいました。
教室を卒業してからしばらく経ち、入学する高校が決まった兄くんもわざわざ教室に報告に来てくれました。
家族全員が義理堅く、実直で、とても素敵だなと思います。

子どもたちへの手紙には、初めて会った時の印象や教室でのエピソード、ずっと思っていたこと、大切にしてほしいこと、これからに期待することなどを書きます。

PCで打ち込んだものは全部保存しているので、弟や妹が入会してきた時や教室に遊びに来てくれた日などに思い出して読み返すことがあります。

子どもたち一人一人といろんな思い出があり、その時間が今の指導の糧になっています。
子どもたちの成長と一緒に私も成長させてもらっています。
ありがたいです。

教室を始めて15年。
変わったこともありますが、変わらないこともあります。
変えたくないことも。

時代は変わり、生きる環境も変わり、人も変わっています。
ですが、どんな時代だろうと、どんな環境だろうと、人が人としてどう在るのがいいのかは大きく変わらないし変えてはいけないことも多くあると思います。

古い考え・新しい考えと分けるのではなく、いまはこういう時代だと決めつけるのではなく、よりよい素敵な世界を築くために一人一人が真摯に向き合い、粘土のように柔らかく慈しみながら、みんなが「どこか不恰好で何か足りない感じもするけれど、完璧じゃないけれど、なんかいいね」と思えるいいカタチをつくっていけたらいいなと思います。

ポジティブではっきりした理由で変えるのはあり。
ネガティブですっきりしない理由でなあなあにして変えるのはなし。
どんな時も、考え抜いて進んでいきたいです。

自分の指導の結果は、子どもたちが卒業して数年後にようやくわかります。
その指導も子どもたちの成長にとってはほんの少しのカケラでしかないですが、４月・５月と嬉しい出来事が続いたので、これからも私にしかできない関わりで子どもたちを応援していきたいです。