大人になるのはゆっくりと
避けては通れない人と人との交わりや
そこで起こる化学反応。
良くも悪くも、人と交わるということは
人を変えることに大きく作用し影響します。
思春期真っ只中の子どもたちにとって、
環境そのものが一変することと
それに加えて
自分以外の人間と多く接触しなければいけなくなることの負荷はとても大きいと感じます。
自分自身も他人から見たらそうだったかもしれませんが、少なからず環境変化とともに変わる人付き合いが人格変化をもたらすことを身近なところで感じていた私は、今の義務教育期間の在り方やクラス替えのタイミングなどには少しの疑問を抱いています。
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大人になるために一生懸命な子どもたちに、
「曲がるな、変わるな」と言うことは大人の勝手なわがままで酷なのはわかっていますが、
素直でまっすぐ子どもらしく純粋だった子が無理に大人びて強がっているようにも見える姿を見ると、胸が痛くなります。
呟く一言がどこか寂しくて、
(ねぇ聞いてよ)から始まりこぼれる言葉のひとつひとつが今にも壊れてしまいそうに脆くて繊細で…返す言葉に詰まります。
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「大丈夫なの?」
本当は【大丈夫?】以外の言葉を使いたいけれど、適当な言葉が見当たらず直球で訊いてみる。
すると、
『大丈夫じゃないけど、何とかなる。心配しなくてもいいよ』
と返ってくる。
自分自身と自分のこれからをとてもよく分析できていて、綿密に練られた計画は一見力強く頼もしくもあるけれど、私はそれがとても怖い。
「そんなに急いで大人にならなくていいから、もっと子どもでいて。そんなふうに悟ろうとしなくていい。悟りを開くにはまだ早すぎる。もっとくだらなくて面白いことに目を向けて。広く浅く受け止めて。賢くて器用なのはわかっているけれど、物事の答えを一つに決めつけるのはもったいないよ」
そう切願する私に、
『もうだいたいのことはわかりきってる。だってそうでしょう?そう思わない?』
そんなふうに言います。
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言っていることは正しい。
間違ってはいない。
けれど答えは一つではないの。
違う見方や考え方で
自分の思考の呪縛から解放されてほしい。
本人が一番もがいていて、
だから『聞いて』っていろんな話を聞かせてくれるのだと思います。
立ち止まって、
振り返って、
戻ってきて、、、
ひとつ話を終えて再び話し出す姿が今にも壊れてしまいそうで、
どうしたら氷のように冷えて凍った心が溶けるのか考える日々です。
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『友達はいらない。増えれば増えるほど面倒なことが増えて、それって邪魔なだけ』
たしかにそうだね。
関わる人の数だけ面倒がある。
けれど、交わる人の数だけ面倒以外のこともたくさんあるよ。
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『学校は楽しいところなんて虚言。勉強するところなんだから、楽しいとか楽しくないとかそういう言葉を当てはめようとすること自体が間違い』
その通りかもしれない。
けれど、楽しいか楽しくないかの表現の2択なら【楽しい】ほうがいいじゃない。
楽しいを選べる毎日を過ごせたら、それはそれでいいじゃない。
楽しいと無理に思いこむ必要はないけれど、【楽しくない】から遠ざかれたらそれに越したことはないんじゃないかな。
学校を楽しむというよりは、
学校に通う自分の【楽しい】探しをしてごらん。
朝起きて夜寝るまでの時間の中の数時間。
学校で過ごすその時間も自分の時間。
自分の時間を費やす間、
自分自身を大切にして
自分を【楽しい】に導けたらいいよね。
自分が思う最大の【楽しくない】よりちょっとは【楽しい】を感じられるものがあるはず。
ちょっとだけいい【楽しい】が見つかれば、
その日一日はきっと楽しかったんだよ。
場所も時間も関係ない。
ただ一つ、楽しいが見つかればそれで良し。
楽しいが見つからなくても、
夜になったら安心して眠りにつければそれで良し。
そして朝をゆるっと迎えられればそれで良し。
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多感な時期。
私の言葉に耳を傾けてくれるなら、
私が知っている限りのいろんな話を伝えよう。
心の内を教えてくれるなら、
気が済むまで聴き続けよう。
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お願いだから壊れないで。と願い、
ソワソワが続く。
無邪気に笑って可愛かったキミが
人を遠ざけるようになってしまった理由は
きっとたくさんあって複雑だろうけれど、
心配している人もたくさんいて、
私もそんな一人としてここにいる。
大切な人を
大事に想ってくれる人までも
遠ざけないでほしい。
年下のちびたちにちょっかい出して可愛がる姿を見るとき、少しは安心できるけれど、
姿が見えないときは「今日はどうしてるのだろう?」と心配になる。
体と心を大切に。
自分を大切に。
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子どもたちと関わり続ける限り、
我が子のように想う子どもたちのことで心労は絶えないでしょう。
受験生も毎年いて、
もちろん自分の娘の子育てもあって。
空っぽの言葉に塗れないように
言葉すらも出てこないような大人でいないように
日々精進。
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大人全員で子どもたちを愛で包み込もう。
mana