加齢性難聴

耳の構造の画像を見ながら、
耳の仕組みを確認しましょう♪

【外耳】音を集めて鼓膜まで伝える
【中耳】音を増幅する
【内耳】音の振動を電気信号に変換する

耳介(じかい)とは、
外に出ている部分のことです。

人はこうやって音を認識しています👂
👇
①耳介で空気の振動を集める

②集まった空気の振動を鼓膜がキャッチ

③耳小骨(じしょうこつ)が振動を増幅させる

④蝸牛(かぎゅう)の中のリンパ液が振動する

⑤有毛細胞が振動の刺激を電気信号に変える

⑥蝸牛の中の神経細胞から蝸牛神経を通って、脳に伝わる

画像で確認できるアブミ骨は、
人体で最も小さい骨です。
そのサイズはおよそ3×2.5mmほど。
それだけ小さな骨が構造に加わるくらい、
耳は繊細なつくりになっています。

特別な原因がなく耳の聞こえが悪くなることを
「加齢性難聴」とよびます。

その他にも、
中耳炎などが原因の「伝音難聴」
騒音やウイルスなどが原因の「感音難聴」
と、難聴にも種類があります。

加齢性難聴は、音を感じる部位が何らかのダメージを受けて起こる感音難聴です。

加齢によって蝸牛の中にある有毛細胞がダメージを受けると、有毛細胞の数が減少したり、聴毛が抜け落ちたりします。

有毛細胞は音の感知と増幅の役割があるので、障害を受けると音の情報をうまく脳に送ることができなくなります。

40代から聴覚の衰えは始まると言われています。

65〜74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいるとも言われています。
(高齢者には認知症予防のために積極的な補聴器の使用が推奨され、補助金も出ています)

加齢による聴力の低下は、
一般的に高音域から始まるようです。

60代になると、軽度難聴レベルまで聴力が低下する音域が増えていきます。

70歳を超えると、ほとんどの音域の聴力が軽度難聴〜中等度難聴レベルまで低下します。

老化による聴覚機能の低下が原因である加齢性難聴の根本的な治療法はありません。

ですが、難聴になるのを緩やかにしたり遅らせることは可能かもしれません。

それには整った生活と日々の意識が大切です。
加えて、
✅就寝前・就寝中はできるだけ音を遮断し、耳を休ませる
✅耳栓の活用
✅大きな音を聞くことを避ける
✅禁煙
✅腰・首・耳まわりの筋肉の緊張をほぐす
✅脳疲労をさせない
✅ストレスを取り除く
など、できるケアはたくさんあります。

伝音難聴や感音難聴を併発している場合もあるので、「耳の聞こえが悪くなった」など耳に少しでも違和感を感じたら、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。

服薬や点滴が治療に有効な場合もあります。

耳の聞こえが悪くなると、
☑️危険を察知する能力が低下する
☑️コミュニケーションがうまくとれなくなる
☑️自信がなくなる
☑️鬱などに陥りやすくなる
☑️認知症リスクが高まる
などの影響が出てきます。

「加齢性難聴だ」「歳をとると耳が遠くなる」
と決めつけ諦めるのではなく、
そこから始まる様々な影響を考えての治療や補聴器の使用などを前向きに検討しましょう。

高齢者にとっての聴力の安定は、より豊かに、そして安全に毎日を過ごすことにつながります。
また、周囲の人たちにとっても安心です。

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