夜明け前〜亀田郷1945〜
いつもは千穐楽を観に行くのですが、
事情があり初日の観劇でした。
中学生になり、
部活動を選ばずに劇団を続けることを決めた娘。
部活動に力を注ぐ仲良しのお友達を見ては羨ましがり、劇団稽古で遊びを諦めることを残念がることもありましたが、結局はお芝居や舞台に上がることが好きなのだと思います。
幕が上がり、
登場からずっと瞳がキラキラと輝いていました。
『目に魂が宿る』
この言葉を体現し、
澄んだ心で舞台に上がっているのが
よくわかりました。
親としてこの上ない幸せです。
題材が戦争もの🪖
公演までの制作についての苦労話も知っていましたし、いろんな人がいろんなところに心を配り、まさしく身を削った渾身の作品だったと思います。
この時代に、
この世界に、
とても必要なことだと感じています。
日本における戦争について語り継げる人は
少なくなりました。
海の向こうでは戦争が続いていますが、
平和な日本の中に生きる私にとっては
海外の戦争も、昔の日本の戦争も、
フィクションのようです。
ただ、
『人が懸命に生きること』
『人の生き死に』
については身近に感じることができます。
メッセージ性の強い今回の作品では、
身近ないざこざが愛おしく思えるほど
死に対してのインパクトが強かったです。
漆黒に染まる【夜明け前】の中に光る
一人一人の輝きが本当に眩しくて、
『一所懸命に生きることの尊さ』
『希望を生み出す力をもつ人間の逞しさ』
それらを感じながら
マスクで涙を受け止めていました。
【0.5ミリ】という映画で、
こんな言葉がありました。
「極限に追い込まれたヒトの輝きは極限状態を凌駕し自己の実存として覚醒され、それは山をも動かすこととなる。その山とは一人ひとりの心、0.5ミリ程度のことかもしれないが、その数ミリが集結し同じ方角に動いた時こそが、革命の始まりである。今日的日本人にその魂は残されているのだろうか。」
今回の作品で
この言葉の意味が理解できたように思います。
【好きなことを全力でやる】
定期テストの点数に白目をむいた私ですが、夢中になれるものを手に入れていることや、作品と作品を紡ぐ人たちから学び得ているものこそが宝であり、それが生きる上で必要なことでそれが全てのように感じます。公演の度にそう思います。
(すぐに忘れてまた白目をむくわけですが(笑))
マスクをするのが当たり前の昨今。
瞳で語れる
眼差しで語れる
そういう人間に成長しています。
カーテンコールで
客席から響く手拍子と拍手に感極まり
目を真っ赤にしていた姿を見て、
そのピュアな心を失うことなく
澄み切った世界を創る側の人間でいてほしいと
心から思いました🍀
・
・
・
この作品を通じて
娘が何を思い、何を感じて、
どう【生きること】を考えていくのか・・・
生身の人間が紡ぐひとつの物語に触れて
過去を見つめ
現在を見直し
未来を0.5ミリ動かしてくれたら嬉しいなぁ。
・
・
・
自分の知らない世界を
自分の知らない歴史を
自分の知らない物語を生きてきた人たちと
いま同じ場所に生きている奇跡に感謝して。
知らないを知れる贈り物🎁
劇団関係者皆さまに心からの拍手を。
観客の一人としてただ席に座る私…
演者の母として、新潟市民の一人として、
心より感謝申し上げます。
mana