関連痛
痛みの発生にもいろいろあります。
✅皮膚表面の傷
✅骨・筋肉の損傷
✅病巣
など完全損傷しているところは
わかりやすく直接的に痛みを感じます。
ですが、
損傷手前であったり、病状が進行中の場合は
痛みに気づかないこともあります。
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痛みの発生源が直接的に痛むこともあれば、本来の場所とは別の場所で痛みを感じることもあります。
これを『関連痛』といいます。
(主に内臓その他筋肉以外が痛みの原因の場合)
背骨の異常による病気では、
痛みが首・背中・腰に生じる場合と
手や足など背骨から離れたところに生じる場合があります。
かき氷やアイスクリームを食べた時に
頭がキーンとするのも一種の関連痛です。
奥歯の痛みやのどの痛みが、
【狭心症】からくるものということもあります。
これらは神経の混乱によるものです。
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脳は『内臓の痛み』を「皮膚・筋肉の痛み」と勘違いすることがあります。
内臓や関節などの深部組織に障害が起こった場合、痛みの情報は末梢神経を伝わって脊髄に入力されます。
この時、体の表面(皮膚)の組織からの情報を入力する神経とまとめて脳に投射されると、脳がどこから発生した痛みなのか正確に判別できず誤認してしまうようです。
心臓発作による痛みを
腕に痛みがあるように感じる誤認…
これは心臓からの感覚情報と腕からの感覚情報が脊髄の同じ神経経路に集まるためです。
狭心症や心筋梗塞では、
心臓部の痛みを左肩から左腕(特に内側)の痛みとして感じることがあります。
右肩の痛みは、
肝臓や、胆石などによる胆囊の障害に伴う痛みが多いといわれています。
(脂っこい食事をした後に右肩が痛む場合、胆囊に異常があることがあります)
臓器によって関連痛を生じる部位が決まっているので、主要なものを覚えておくのもいいでしょう。
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背骨の関節の機能障害から起こる関連痛は
「椎間関節症候群」と呼ばれます。
🟠頚椎の2番や3番の関連痛は
後頭部から首の上のほうにかけて起こります。
🟢頚椎の4番~7番の関連痛は
肩に起こります。
🟡頚椎5・6番〜胸椎1番の関連痛は
肩甲骨の間に起こります。
この場合、頚椎椎間板ヘルニアによる関連痛である可能性があります。
🟣腰椎や骨盤の関節の関連痛は
腰痛や臀部痛として現れます。
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筋肉の関連痛は、『放散痛』とも呼ばれます。
固くなっている筋肉の局所を押した時に、押しているところとは別のところにも痛みが生じることをいいます。
頭蓋骨と首の境目を押した時に、
こめかみや目の奥・側頭部などに痛みを感じるのがわかりやすい例かと思います。
痛みの症状緩和について質問された時、
まずは痛みの発生源となり得るところをケアしていただきますが、関連痛の場合は複数の原因が絡み合っていることもあるので、緩和されなければ「ここがダメなら次はここ」というふうにケアする場所を変えてもらいます。
治療院に行って一度で痛みが緩和されない場合、
関連痛や放散痛の的確な診断はなかなか難しく、
原因が一つでない場合はどこかモヤモヤ感が残ったままその日の治療が終わることもあります。
(だからすぐに悪い口コミを書き込まないこと)
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「背中が痛い・・・」と感じた時、
こんな病気が潜んでいることもあります。
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☑️腎結石・尿路結石
背中や腰を叩くと響くような痛みが起こります。
☑️膀胱炎
☑️腎盂腎炎
☑️膀胱がん
背中・腰に痛みが起こることもあります。
☑️胃・十二指腸潰瘍
みぞおちに痛みが出現することが多いです。
☑️胆石症
右側の肋骨下からみぞおちにかけての激痛に加えて、背中や右肩にも痛みが起こることがあります。
☑️急性膵炎
お腹の上あたりに激しい痛みが出ることもありますが、背中への放散痛などもあります。
☑️膵臓がん
みぞおち・背中に痛みが起こることがあります。
☑️虚血性心疾患
胸・背中に強い痛みが生じます。
☑️腹部大動脈瘤・腹部大動脈解離
大動脈が解離・破裂または破裂しそうになっている時に背部痛が起こります。
☑️帯状疱疹ヘルペス
体の片側の肋間神経に沿って痛みが起こります。
このように、関連痛や放散痛のつながりから推測し検査して病気が特定されることもあります。
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大切なのは『痛いところに痛みの原因があると断定しないこと』です。
関連痛を念頭において、
痛みの本当の原因がどこにあるのかを
ひとつずつ丁寧に探っていきましょう。
急性の痛みや長期間持続する痛みがある場合は
迷わず病院へ行ってください🍀
関連痛はほとんどが上半身に起こりますが、
肩が長期的に痛み、治療を尽くしてもなかなか治らない場合は、病気が潜んでいることもあるので注意してください🍀
①左肩もしくは右肩の痛み
👇
心臓の病気
②右肩の痛み
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胆嚢・肝臓の病気
③左肩の痛み
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膵臓・肺・気管支の病気
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痛みには必ず原因があります。
身体からのサインを見逃さないように、
無視しないようにしましょう。