尿トラブルを防ぐには
5月だというのにずいぶん気温が上昇し、
熱中症リスクが高まっています。
水分補給の大切さを伝えていますが、
「水分を摂るとすぐにお手洗いに行きたくなってしまうから、あまり飲みたくない」
と、おっしゃる方も多いです。
様々な尿トラブルがある中で、
今日は『尿漏れ(失禁)』の種類について
確認しましょう。
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骨盤底筋群の機能低下はもちろん、
膣や膀胱周辺の筋肉が衰えたり
なんらかの原因で障害を受けると、
様々な症状に悩まされるようになります。
尿を溜めることができず漏らしてしまうことを
『蓄尿障害』といいます。
蓄尿障害は4種類あります。
①
骨盤底筋群や
尿道括約筋といって
尿道をキュッと締める役割をもつ筋肉の衰えは
【腹圧性尿失禁】を招きます。
咳やくしゃみをした時などに腹圧が急上昇し
尿漏れを起こしてしまうのが代表的な例です。
腹圧性尿失禁は筋肉のトレーニングを重ねると
防ぐことができます。
②
突然の強い尿意が我慢できなくなるのは、
【切迫性尿失禁】といいます。
過活動膀胱が主な原因にはなりますが、脳神経に問題がある場合も膀胱の機能をコントロールできなくなることがあります。
男性は前立腺肥大が原因で起こる場合もありますし、女性は膀胱や子宮などの臓器が下がってしまうことも原因のひとつになります。
残尿感がある人や尿路感染症や腎機能障害に不安がある人も切迫性尿失禁の兆候がありますし、逆に切迫性尿失禁をすでに経験している人は尿路感染症や腎機能障害に気をつけなければいけません。
③
尿意はあるのにうまく尿を排泄できない…例えば溢れるように少しずつ漏れ出してしまう状態は、【溢流性(いつりゅうせい)尿失禁】
といいます。
☑️前立腺肥大がある人
☑️直腸の手術をしたことがある人
☑️子宮の手術をしたことがある人
に多い失禁です。
これらに当てはまる人の特徴は、膀胱まわりの神経機能が低下した状態にあることです。
尿が出ないことは「尿閉」といいますが、
この場合は治療が必要です。
④
【機能性尿失禁】は、
排尿機能には問題がなく、
体や脳の機能低下によって起こるものです。
高齢者に多いのが認知症によるものですが、
歩くための機能低下により
トイレに辿り着けないことも含まれます。
これらは【失禁】なので、
自分の意思とは無関係に起こります。
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もうひとつの障害は、
『排出障害』です。
尿をすべて出しきれないというものです。
排出障害は、大きく分けて2つ。
【膀胱収縮障害】と【尿道通過障害】です。
膀胱収縮障害は、
膀胱の収縮力が低下し
尿の排出がうまくできないというものです。
☑️糖尿病性抹消神経障害
☑️椎間板ヘルニア
☑️腰部脊椎間狭窄症
☑️骨盤内の臓器手術
などの影響を受けて発症します。
尿路通過障害は、
尿の通り道が狭くなったり
閉塞したりすることで起こります。
☑️前立腺肥大(原因として最も多い)
☑️前立腺がん
☑️膀胱頸部硬化症
などの疾患が原因です。
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治療が必要なものもありますが、
骨盤底筋群を鍛えることで
治せるものもあります。
今回は骨盤底筋群については触れませんが、
⭕️大股歩き&早歩きを心がける
⭕️階段をよく使う
⭕️椅子に姿勢よく座る
⭕️バスや電車に乗ったら両足で踏ん張る
⭕️空気いすやスクワットをする
なども尿トラブル予防につながります。
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ねこ背の人は、骨盤の傾きにより腹圧が直接骨盤底にかかってしまいます。
その状態で咳やくしゃみをすると腹圧が骨盤底に集中し、尿が押し出され漏れやすくなります。
背すじを伸ばし、おなかを引っ込めて、安定した姿勢を保つようにすると、尿漏れは起こりにくくなります。
そのためには、足のアーチを整えることも大切。
足裏ほぐしはからだバー®︎が一番だと思っていますが、なければ青竹や丸めたタオルなどでもいいです。
よく踏んでほぐしましょう!
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夜間頻尿が心配な場合は
一日の中で適度に軽い運動を数回取り入れると
余分な水分が体の外に排出されやすくなります。
頻尿などを気にして水分を十分に摂らないことでさまざまな不調や障害を招くので、水分は必ず必要量を摂るようにしましょう!