健康づくりに不利な新潟

「地域」とはどの範囲を示すのでしょうか。
その定義は不明瞭ですが、老若男女が何歳でも行動できる生活圏内と考えるならば、新潟の場合はその範囲がとても狭いです。

住まいによっては駅がなく電車が走らないところも多く、バスは路線が限られ本数も少なく、安全面から早期の免許返納を求められる現代では、歳を重ねるほどに生きにくくなっていくのが現状です。

正直、移動手段をどうにかすることを他に委ねるのは現実的でなく、今後開発が進み浸透するであろう乗り物に期待を寄せてコツコツ大金を貯めるか、永久無料である自分の足を頼りにするかに分かれます。
安価での移動手段はそうそうアテにできません。

健康云々もですが、生活のため、生きるためにも
『足腰づくり』が重要になります。

国は歩くことを推奨していますが、都道府県それぞれで歩行を含め日常においての軽運動のあり方が異なります。

東京は移動につぐ移動で歩くのが日常です。

歩くことを意識しなくても歩ける環境にいるのと、歩く機会をわざわざつくらなければいけない新潟では、歩くことを推奨されての結果の差が開くのも当たり前。

歩数で健康増進を望むのは、
ナンセンスかなと感じています。

目標とされる歩数には届いていないのが新潟の現状で、おそらくその目標を達成するにはよほどの意識改革を行うか、歩くことを喜んでできるような取り組みを始めるか…いや、市民から車を取り上げるくらいの覚悟がなければ永久に難しいような気がしています。

生活圏内の施設といえば、公共施設と学校が主となりますが、人々の幸福のために設けられた施設や場所よりも、病院が憩いの場になってしまっている人も少なくありません。

施設を利用する人の偏りから出来上がってしまっている雰囲気や、推奨している使用目的の狭さなどが、新規利用につながりにくい原因となっていることも考えられますが、そもそも施設を一般の人が利用してもよいのかどうかさえ周知されていない可能性もあります。

もっと自由に、もっと利用したくなる施設づくりを心がける必要もあるかもしれません。

市民は自分が利用できる施設を知って、家以外の居心地のよい場所を見つけられるといいですよね。

新潟は四季や気候による環境下で、精神疾患を誘発しやすいこともあり、健康づくりにおいて不利な点が多くあります。

ですが、まさか環境が健康状態に影響するなんて思いもしない人がいるのも事実です。

県がもつ環境の特異性をもっと住民が知り、対策を講じて自身の健康を守る努力をしなければいけません。

巷の健康法が必ずしも合うとは限らず、県独自の健康法を築いて伝えていくことが必要なのではないでしょうか。

新潟に移住する人たちは他県との違いを否が応でも感じると思いますが、【今まで通り】が通用しないことを忘れないでほしいです。

新潟に住むことで良い面もありますが、悪い面に関して触れないのはフェアじゃない気がします。

家を建てる時に学区を気にするように、住むところを決める際には長期的にみて自身の肌感に合うかどうかと幸福に生きられるかを吟味するといいように思います。

家族形態も刻々と変わり、人口が減少傾向なのに対して世帯数は増加…それはつまり個で生きることを頑張る人が増えたことを意味します。

独居も増え、生活に不安を感じながら生きる人たちの支えは、人とのつながりだと考えます。

昨今、人とつながることを拒みSNSの世界に匿名で身を寄せる人も少なくありませんが、本当に近くにいる人と距離を置くことは望んでも、人々が新しいコミュニティと自分の居場所を求めていることもまた事実のように思います。

病院仲間ではなくウェルネス仲間を増やすためには、医療ありきの長寿という思考から卒業し、自分の健康を自ら守れる人を増やしていかなければいけません。

健康に留意し前線で輝く高齢者にスポットをあて健康優良モデルを可視化することもいいでしょうし、そういった高齢者が高齢者を鼓舞する仕掛けも必要だと考えます。

人々が病院を切り離せないということであれば、病院と連携することも考えていかなければいけません。

いま健康系事業が連携をとっているのは、
『病』と病名がつくものに対してばかりです。

がんなどの大きな病気の大元には生活習慣病があるという考えのもと、健康診断でひっかかる部分に対しては病院と行政主体の取り組みの中で人々が『治療』を主体に健康づくりができるような仕組みになっています。

ただそれは短期的なもので、長期に渡って健康づくりの伴走をしてもらえるわけではなく、一時のきっかけに過ぎません。

病院が儲かる仕組みであることは変わらず、治療と『今は、いいっぽい』という基準の低い健康度の中を行ったり来たり、、、

現在の健康づくりに纏わる全てが、基本的にはそれぞれの組織ごとにあり、連携なしのぶつぎり状態で、市民が自分の健康ステージに合わせて行動できる導線が築けていないように感じます。

組織同士が連携を図ることは難しい点もあると思いますが、いまあるものを整理し繋げていくことは、同時に人と人とがつながっていくことにも通ずるのではないでしょうか。

市民が求めている真の健康が人とのつながりから生まれ始まるのだと考えた時、地域の健康づくりとは人が交わるきっかけづくりをいかに増やすかが肝のように思います。

区にひとつはある運動施設で取り組むべき課題もありますが、両手を広げてもらい飛び込むのではなく住民が運動施設を利用する頻度を自発的に上げられるよう手助けすることも必要です。

長期的にみると、いま高齢者と呼ばれる世代にばかりフォーカスした取り組みではいたちごっこです。

国の施策とは別に、国が目を向けていない問題や地域ならではの課題を解決していくことが必要です。

けど実際は・・・
次のブログに新潟市民の健康の実態を綴ります。

あなたはあなたの住む街で、
どのように健康を守っていきますか?

mana

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