味覚センサーと味覚の欲求

人間の舌には、
『味蕾(みらい)』
という味覚センサーがあります。

味蕾は頬の内側や唇にもありますが、
大部分が舌にあります。

味蕾は味細胞の集まりです。

味蕾によって
甘味・苦味・辛味・塩味・酸味などを
感じることができます。

加齢とともに味蕾の細胞が減少したり、
感度が鈍くなると、
味がわかりにくくなっていきます。

個人差はあるものの、
甘味・苦味・辛味・塩味・酸味の中で
もっとも感度の低下を自覚しやすいのが
塩味です。

今までと同じように作っていたお味噌汁の味を
家族に指摘されるようになったら、
味覚センサーの機能低下が起きています。

味覚がわかりづらくなることに、
唾液の減少も関係します。

唾液は食べ物を分解し、
味を感じやすくする役割をもちます。

口の中の粘り気や食べ物が飲み込みにくいと感じるようになったら注意が必要です。

飲み込む力・嚥下について

舌の上の白いコケのようなものを
『舌苔=ぜつたい』といいます。

舌苔が多く付着していても、
味を感じにくくなることがあります。

舌苔は、口臭の原因にもなります。

白や黄色い舌苔は、
❌胃の不調
❌体調不良
❌唾液量の低下
が考えられます。

黒い舌苔の付着は、
長い体調不良で口の中の細菌バランスが崩れてしまった場合に起こります。

全く舌苔がない場合は、
鉄分やミネラル不足が心配です。

舌について

栄養の偏りが原因で、
味覚障害を起こすこともあります。

多くは、亜鉛不足です。

亜鉛は、
味蕾の細胞生成に必要となる栄養素です。

不足すると味を感じにくくなります。

若年層は、白米をきちんと食べないために亜鉛不足を起こすことが多いです。

中高年の場合は、
亜鉛の吸収力の低下が問題です。
そもそも食事量が足りていないこともあります。

求める味覚によって
身体の状態を推察することができます。


甘味が欲しい


❌脳疲労状態

脳の疲れは、注意力・思考力・感情コントロール力などの働きがある前頭葉に影響します。

少量の糖分補給は問題ありませんが、
急な大量の糖分摂取は肥満や糖血圧などを引き起こしてしまうことがあります。

糖質と脂質の組み合わせは『βエンドルフィン』という脳内麻薬が分泌されるため、中毒性があります。

コーヒーに砂糖を入れる習慣がある人は、
脳疲労を起こしやすいタイプです。
入れるのであれば、
白砂糖ではなく黒砂糖が良いです。

原因が脳疲労である場合、
瞑想・仮眠・自然の音を聴くなど
脳を休めることを優先させましょう♪

また、
ガム・ラムネ・飴などを口に含むのも有効です⭐︎


辛味が欲しい


❌ストレス過多

ストレスを抱えている時は、
強い刺激を感じることで
リフレッシュを求めることが多いです。

辛いものを食べることもその一種です。

舌の痛みを感じる辛味を味わうことで、ストレスという刺激をすり替えるために辛いものを欲します。

アドレナリンが分泌され、興奮状態になり、
汗をたくさんかいて爽快感を求めます。

辛い食べものは
快楽物質『エンドルフィン』を分泌します。
甘味同様に中毒性が高いのが特徴です。

ストレスも脳疲労と関係するため、
甘味・辛味と両極端のものが同時に欲しくなることもあります。


塩味が欲しい


❌ミネラル不足

塩味を求めるときは
ミネラル不足に陥っている可能性があります。

カリウム・カルシウム・鉄分などのミネラルが不足すると、塩分を欲するようになります。

ミネラル不足は、足がつる原因にもなります。

マグネシウムについて

体がつる理由


酸味が欲しい


❌肉体疲労

身体に疲労物質が溜まると、疲労回復の効果があるものを求めるようになります。

酸味を感じるほとんどの成分はクエン酸です。

血液循環が悪い人は、
疲労の原因である乳酸が溜まりやすいです。

クエン酸は乳酸を分解効果があります。

妊婦さんが酸っぱいものを求めることがありますが、母体の肉体疲労からくるストレスにより辛味を求めることもあり、妊娠中や産後は辛味の摂取制限があるため欲求が甘味にスイッチされるので注意が必要です。

酸味には梅干し・レモン・柑橘とさまざまありますが、刺激の強いものは胃腸の荒れが心配です。

梅干しやお酢は比較的胃腸に優しく、効率よく分解吸収されるので、上手に食事に取り入れるとよいでしょう。

また、酸味の欲求は匂いでも満たされるので、
香りを上手に活用するとよいです。

いつもと違う味覚を急に強く欲したら要注意!

食べる前に体調の見直しを🍀

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