骨盤痛
時々相談を受ける【骨盤痛】
通常、骨盤痛の原因は重篤な病気ではなく、多くは月経周期と関連するものだと言われています。
骨盤痛とは、
骨盤内の腹部より下、
体幹の最下部周辺に起こる不快感をいいます。
※外性器(外陰部)に起こる痛みは含まれません
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以下の場合は早急に受診が必要です。
❌急なふらつき
❌突然の意識消失(失神・気絶)
❌危険なレベルの低血圧(ショック)
❌閉経後の性器出血
❌発熱・悪寒
❌突然のひどい痛みに加え、吐き気・嘔吐・異常発汗・動悸がある
数ヶ月も骨盤痛が続く場合も
必ず受診しましょう。
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骨盤痛がある場合、以下の疾患が心配されます。
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①婦人科系疾患
🟠生殖器に起こるもの
(膣、子宮頸部、子宮、卵管、卵巣)
🟠感染症
子宮頸部・子宮・卵管・卵巣などが
ウイルスや細菌に感染
②骨盤におさまる臓器に生じる病気
🔵膀胱・直腸・虫垂などに起こるもの
③骨盤近くの骨盤外臓器に生じる病気
🟣腹壁・腸・腎臓・尿管・大動脈の下部など
④変形性股関節症
変形性股関節症は、
☑️股関節を構成する骨の変形
☑️関節軟骨のすり減り
などが原因で股関節に痛みが生じたり、
可動域が狭くなる病気です。
⑤大腿骨近位部骨折
大腿骨(もものほね)の股関節付近の部分が
大腿骨近位部です。
痛み、腫れや骨の変形、出血・内出血が生じることもあります。
⑥大腿骨頭壊死
大腿骨の一部に血が通わなくなり、
骨の組織が壊死した状態。
壊死してすぐは無症状ですが、大腿骨に負荷がかかり、大腿骨骨頭が潰れると痛みが出ます。
股関節を内側にひねると痛みが強くなります。
⑦仙腸関節炎
お尻の割れ目近くにある関節が仙腸関節です。
仙腸関節炎を起こすとお尻や下肢に痛みが広がります。
⑧骨盤骨折・打撲
発症部位だけでなく、骨折によって骨盤内の血管や臓器が傷ついて出血すると血尿や血便などの症状が出ることもあります。
⑨骨の悪性腫瘍・臓器の悪性腫瘍
☑️骨肉腫
☑️軟骨肉腫
☑️ユーイング肉腫
骨盤の骨にがん転移することが多いのは
前立腺がんといわれています。
骨や骨盤内の臓器ががんに侵されると、
骨盤痛や腰骨付近の痛み、下腹部痛などを
起こします。
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月経周期以外で骨盤痛が起こる場合は
重篤な病気が潜んでいる場合があります。
大腿骨頭壊死のように進行してから痛みが出ることもあるので、月経周期に関係のない痛みが出たら、できるだけ早めに受診するようにしましょう。