肘の痛み
『肘関節』
レッスンでは「ひじ」と呼んでいますが、
正確には「ちゅうかんせつ」といいます。
肘に関わる骨は
①上腕骨
②橈骨(とうこつ)(親指側)
③尺骨(しゃっこつ)(小指側)
の3本です。
尺骨はしっかりめに上腕骨に固定されているので、肘の曲げ伸ばしはできますが、手を回すときには動きません。
橈骨はほとんど尺骨にくっついているような状態なので、自由な動きで手を内側や外側に回す働きを担います。
前腕の筋肉は様々な種類があります。
手の曲げ伸ばしや手を回したりするために
収縮したり弛緩したりします。
肘の関節は関節包という膜で包まれ、
周囲を靱帯が頑丈に固定します。
上腕骨・橈骨・尺骨の端っこが関節包の中にあり、それらは潤滑液のおかげでスムーズに動きます。
肘を触ると内側(小指側)と外側(親指側)に出っ張ったものを感じると思います。
内側上顆と外側上顆です。
その周辺を押した時に痛みが出る場合、
考えられるものがあります。
👇
【内側】
・関節リウマチ
・変形性肘関節症
・上腕骨内側上顆炎
・肘部管症候群
【外側】
・上腕骨外側上顆炎
・橈骨神経管/後骨間神経症候群
・滑膜ひだ障害
【両側】
・ガングリオン
・骨折・脱臼
今回は代表的な3つの症状についてまとめます✏️
関節リウマチ
関節内に炎症が起こり、
痛みや腫れが生じる病気です。
原因不明の自己免疫疾患で、
40〜60歳の女性の発症が多く報告されています。
進行すると、
関節内の軟骨の破壊や変形が起こります。
関節症状以外には、
☑️貧血
☑️微熱
☑️全身の倦怠感
などがあります。
最初は指や手首に関節痛が起こり、
症状が強くなると肩→肘の順番に関節痛が出現すると言われています。
肘は特に腫れが分かりにくく、痛みのみが感じられるケースが多いようです。
発症から2年以内に関節破壊が始まり、関節破壊が進むと関節の曲げ伸ばしができなくなり、日常生活が不自由になります。
場合によっては
人工関節へ置換する手術が必要になります。
関節変形が原因で、頚椎の骨が脊髄を圧迫して呼吸障害や四肢麻痺を起こすこともあります。
変形性肘関節症
変形性肘関節症とは、
肘の関節軟骨が摩耗して
肘の曲げ伸ばしが難しくなる病気です。
重労働やスポーツにおける肘の酷使・関節内の骨折などにより、最悪自力での食事ができなくなるくらい腕を動かせなくなります。
動かすと痛みが起こるのが特徴です。
親指と人差し指で紙を挟めない…これは神経が圧迫されてかなり重度に進行している状態です。
手先に運動麻痺や感覚障害が残ることもありますし、重症化すると手術が必要になることが多いため、早めの受診が望ましいです。
上腕骨外側上顆炎
上腕骨外側上顆炎とは、肘の腱が痛む病気です。
原因は不明ですが、中高年以降でテニスやゴルフをされている方に多く見られます。
年齢とともに肘の腱が傷むことや、肘まわりの筋力が低下することで起こりやすいとも言われています。
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肘の痛みを放置すると、肘の曲げ伸ばしを避けるため、肘を動かさないことで脇が開いた状態が長く続きます。
それは体幹の不安定と肩こりを招き、
結果として首や腰を痛めることにも繋がります。
日常で前腕と手首のストレッチを習慣化して負担を減らすことが大切です。
画像の4つのツボを押すこと、
特に曲池から手三里のあたりはよく揉みほぐすことをオススメします☆