ジストニア

ジストニアは、
ジス=「異常な」
トニア=「緊張」
が組み合わさっている病名です。

ジストニアは脳神経回路の異常で起こる
運動障害や姿勢異常の総称です。

よくあるのが、
①眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
まぶたの筋肉が緊張して起こるジストニア。
最初はまぶしさを感じ、
進行すると目が開けられなくなります。

②痙性斜頸(けいせいしゃけい)
首の周りの筋肉が緊張して起こるジストニア。
首が捻れたり、傾いてまっすぐ保つことが難しくなり、痛みを伴うこともあります。

③書痙(しょけい)
手や腕の筋肉が緊張して起こるジストニア。
ペンを握って文字を書くときに、手に力が入ってしまい書くという動作ができなくなるものです。

ジストニアは10万人に15人程度発症するとされていますが、受診していない人が圧倒的に多く実際はもっと多いと考えられています。

眼瞼痙攣はドライアイ、
痙性斜頸は肩こりなどと間違われやすく、
的確な治療が行われずに苦しむ方もいます。

スポーツ選手の『イップス』がジストニアであることもあり、手先を細かく使う楽器演奏においても発症率が高いです。

ジストニアは、
まばたき、姿勢、文字を書くなど、
意識せずともできる運動に起こります。

脳には「大脳基底核」という
運動の調節や学習などを担うところがあります。

運動を行うとき、
小脳や大脳皮質から筋肉へ指令が出ます。

大脳基底核はこの間に入り、
細やかな運動の調整を行っています。

このとき、ドーパミンという神経伝達物質が
大脳基底核の中で指令を伝えています。
(ドーパミンはドパミンともいいます)

ドーパミンは、
アクセルとブレーキの働きをします。

ジストニアでは、
ブレーキがきかなくなり、
体の一部が暴走してしまいます。

この暴走の理由は実はわかっていませんが、
☑️素因
☑️反復
☑️ストレス
が引き金になっていると考えられています。

「素因」は人の素質のことで、
こだわりすぎ・やり過ぎなど
普段から少し神経質な人が当てはまります。

「反復」は同じ動作の繰り返しです。
手作業が多い仕事や楽器演奏など、体の一部分を長時間長期間的使うことを繰り返している人は注意が必要です。

本当の理由が解明されていないということで
防ぎようのない感じがありますが、
素因・反復・ストレスに気をつけて
脳と体をしっかり休めることが大切です。

禁煙も重要です。
ニコチンはドーパミンの過剰放出を促してしまうため、ジストニアを悪化させます。

❌1ヵ月以上続くしつこい肩こり
❌頭が一方向に回しにくい
❌ドライアイ
❌異常なまぶしさを感じる
❌正しい鉛筆の持ち方でも長文を書くと手が疲れる
以上のようなことがあり、
無意識に行われる運動に異常症状が出て、
日常に支障があり、
治療をしてもその治療の効果がない場合は、
脳神経内科・神経内科の受診をしましょう。

治療法には、
🟠ボツリヌス療法
🟠内服療法
🟠定位脳手術
があります。

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