歯の噛み合わせ
歯の噛み合わせが悪くなると、
重心をずらしてバランスをとることになります。
重心は、
骨盤内の仙骨のやや前方に位置します。
頭が良い位置にあるときに首にかかる重さは
頭の重量分だけですが、
15度傾くと12kg、
30度で18kg、
45度で22kg、
60度で27kgもの重さが首にかかります。
肩や腰に負担がかかるのはもちろん、頭が前に傾くほど背中は後ろへと傾くので猫背が増強し、骨盤は前へと出ていきます。
歯の噛み合わせから起こる頭の傾きは
姿勢を崩し、力の入りにくい体になります。
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『噛む』ことで得られる効果があります。
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①筋力を上げる
歯をしっかり噛み合わせることで筋力は4〜6%程度上がると言われています。
スポーツ選手の成績や勝敗には、『噛む』という一瞬の力の加わりが脳の運動野に伝達され、体を動かす骨格筋などの反応や動きに影響を与えます。
スポーツでマウスピースやマウスガードを使う理由は、噛むことで首が安定するからです。
歯の矯正にも使いますが、顎を正しい位置にすることで、頭の位置が安定します。
顎や頭が不安定だと頭や首の筋肉が緊張し、首や肩がかたくなります。
筋肉の緊張バランスが崩れることで姿勢保持が難しくなり、運動能力が低下します。
②平衡感覚を高める
姿勢保持のために、人は「咬筋(こうきん)」を働かせます。
咬筋は咀嚼するときに必要な筋肉ですが、反射的に抗重力筋として体の平衡感覚の維持を担います。
高齢者などで片足立ちなどのバランス動作がうまくいかない場合、歯の噛み合わせや咬筋の弱さが原因であることがあります。
片側ばかりに歯の食いしばりがある場合、体のバランスにも偏りができます。
軸を真ん中に保ち続けることや、瞬間的なパワーを効率的効果的に発揮して崩れた体勢をもとに戻すためにも、偏りなく噛むことができることが大切です。
③集中力・判断力を高める
噛むことで認知機能を司る前頭前野の血流が良くなり、集中力と判断力が高まります。
あまり好きではありませんが、野球選手が試合中にガムを噛むのもこのためです。
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噛むと筋力が有効に作用し、体軸が安定することでパフォーマンスを高めますが、ずっと噛み続けるわけではありません。
短距離走をする際は、スタートから数メートルはしっかりと噛み、姿勢を安定させて、踏み込み蹴り出す力を強くして、スピードにのります。
そして徐々に噛む力を緩め、余計な力みを抜いて腕の振りや足の運びをスムーズにさせ、より加速します。
野球のバッターは、バットにボールを当てる直前までは首や肩の力を抜いて大きくスイングさせるために噛まずにリラックスします。
ボールが当たる瞬間は最大筋力でボールを跳ね返すために、しっかりと噛み締めます。
全ては、ただ噛めばいいということではなく、『正しい顎の位置と、上下の歯がしっかり噛み合わさる』が重要です。
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気づくと舌の位置や歯の噛み合わせなど口腔内の環境が変わり違和感を感じる場合、耳まわりや首や肩の緊張がないかを確認します。
顎を支える筋肉のあり方で、歯の噛み合わせに微妙なズレが生じることがあります。
筋膜ラインの繋がりから、さらにその下の部位にエラーがあることも考えられます。
軸がズレていることも…
原因は一つでないことが多いです。