踏み間違いを防ぐには
高齢になると、
関節の可動域が狭くなっていきます。
首がまわる範囲が狭くなると、後ろを振り向くときに上半身を反転させなければいけなくなり、上半身の動きに合わせて骨盤や股関節、そして足も動いてしまうようになります。
例えばそれが運転中、
右側を目視する場合は、
からだ全体が右方向に動き、
足はブレーキを踏んでいるつもりでもアクセルを踏んでしまう可能性が出てきます。
他にも、
右後ろを向いてバックする時、
高速道路やバイパスなどで本線に合流する時、
料金所での精算で窓から腕を伸ばした時、
運転中はさまざまな場面で『右』を使います。
右側に上半身をひねると、
右足のつま先が右に動きやすいです。
骨盤と股関節は深くつながっていますが、
骨盤は右側がゆるみやすいため、
右足が外を向きやすい傾向にあります。
股関節は、非常に安定した関節です。
そして本来は可動域の広い柔軟な関節です。
自由な可動域が生かされながら、
荷重・歩行で機能し、上下・前後・左右・内外と多方向への方向転換が行えます。
股関節周囲には
いくつもの筋肉が付着しています。
股関節の動きに関与する筋肉の伸張性(伸びたり縮んだりする性質)が低下すると、腰部や膝関節はうまく機能できなくなります。
☑️足が上がらない
☑️地面を強く蹴れない
☑️躓いてしまう
☑️足元がふらつき不安定になることがある
☑️下半身に力が入らない
☑️体が前のめりになる
☑️膝や腰が痛い
などの症状がある場合は、
股関節周辺の筋肉の状態や働きがあまり良くないことを示します。
高齢者によるペダルの踏み間違い事故は、
踏み換えで使う太ももなどの筋肉の衰えが原因となり素早く足を持ち上げることが困難な場合もありますが、関節の可動域が問題かもしれません。
目視の際にスムーズにまわる首があれば…
つま先が外を向かずにいられるための柔軟な股関節と筋力があれば…
そして動作の指令を素早く送れる脳があれば…
悲しい事故を防げるかもしれません。
首がかたい方や、
普段からつま先が外を向いている方は、
ブレーキとアクセルの踏み間違いに
十分に注意しましょう!